キャリアダウンをするために転職を検討している人もいるでしょう。
忙しすぎたり、仕事が辛い思いをしている人はキャリアダウンを考えることがあります。
自分のペースで余裕を持って働きたいと考えるのは当然ですからね。
そんな人は以下のような悩みや疑問を抱いているのではないでしょうか。
・キャリアダウンして余裕を持って働きたい
・将来を考えて自分の能力に合った職場で働きたい
・キャリアダウンすることで注意すべきことが知りたい
仕事に疲れて、キャリアダウンしてでも転職したいと思う人は多いでしょう。
お金や出世だけが働く意義ではないですからね。
キャリアダウンによって、よりイキイキと働ける人もいれば、逆に失敗する人もいます。
私はこれまで人事部の仕事を10年以上経験し、数多くキャリア相談に乗ってきました。
そんな経験から、キャリアダウンしたい時の対処法や注意点を紹介します。
キャリアダウンしたい!向いている人とは?
キャリアダウンしたいと考えるのは問題ありません。
実際に転職を成功させている人もいますからね。
なおキャリアダウンしたい人でも、向いている人と向いていない人がいます。
キャリアダウンが向いている人は下記のとおりです。
・給料が低くなってもかまわない
・出世やキャリアにかかわる上昇志向があまりない
・自分の能力やスキルに合った仕事がしたい
給料が低くなってもかまわない
キャリアダウンすると、給料が低くなる可能性が高いです。
今の会社よりも待遇面や福利厚生の条件が悪くなってしまうのを承知で転職する必要があります。
給料や待遇にこだわりがない人であれば、キャリダウンは向いているでしょう。
特に、転職後の給料が下がる可能性もありますし、将来的な昇給率や賞与なども低くなる可能性があります。
生涯賃金が下がる覚悟がある人はキャリアダウンも向いているでしょう。
出世やキャリアにかかわる上昇志向があまりない
出世したい人や、より高い地位を目指している人はキャリアダウンは向いていません。
上昇志向があまり高くない人の方がキャリアダウンには向いているでしょう。
大企業や優良企業でのキャリアを捨てて、キャリアダウンするわけですから、社会的信用度や評価は低くなることは覚悟しなければなりません。
他人との競争意識よりも、周囲と協調しながら楽しく仕事がしたい人には向いているでしょう。
また変なプライドを持っている人も向いていないでしょう。
自分の能力やスキルに合った仕事がしたい
能力やスキルに見合った仕事がしたいと考えている人にキャリアダウンは向いているでしょう。
仕事をしていると、自分の能力と求められるレベルの差に気付き、悩むことがあります。
その差を埋められれば問題ありませんが、どうしても埋まらない時、キャリアダウンしたいと考えるでしょう。
自分の身の丈に合った会社で働いた方が幸せだと感じた人に、キャリアダウンは向いています。
給料が高い仕事や、評価される仕事よりも、自分に合った職場を望む人には向いているでしょう。
キャリアダウンしたい時に注意すべき落とし穴
キャリアダウンしたい時に注意すべきことがあります。
なぜなら、キャリアダウンすることで何もかもが上手くいくと勘違いしてしまうからです。
転職する際はキャリアダウンによる幻想を捨て去りましょう。
特に以下の考えは後悔する可能性があるので注意しましょう。
<キャリアダウンしたい時に注意すべきこと・勘違い>
・仕事が楽になる
・職場環境が快適になる
・人間関係に恵まれる
・やりたい仕事ができる
・自分の経験やスキルが通用する
仕事が楽になる
キャリアダウンすることで仕事が楽になると勘違いするのは危険です。
キャリアダウンしたとしても、仕事は仕事でやらなければなりませんし、必ずしも求められるレベルが低いわけではありません。
給料が低くても激務な仕事はありますからね。必ずしも給料と仕事内容が比例しないのと一緒です。
むしろ仕事が辛くなる可能性もあるでしょう。
要は、あなたに向いている仕事であったり、これまで培ったスキルが活かせるなら、これまでよりは楽に感じるかもしれません。
仕事が楽になることを狙って、キャリアダウンすると、後悔する可能性もあるので注意しましょう。
職場環境が快適になる
キャリアダウンしても職場環境が良いとは限りません。
労働時間が長い場合もありますし、休日出勤が多く、休暇が取得しづらいケースもあります。
むしろ業績が伴っていない会社であれば、残業が多い場合もありますからね。
残業時間を減らして、休暇を取得しやすい会社に転職したい場合、キャリアダウンとは必ずしも結びつかないので、注意しましょう。
職場環境は会社によって全く異なりますし、給料や会社の業績とは比例しない場合があるので、個別に判断していく必要がありますね。
人間関係に恵まれる
キャリアダウンしたとしても、人間関係に恵まれるとは限りません。
どれだけホワイトな会社であっても人間関係が最悪なケースはあります。
人間関係は運の要素が強く、当たりハズレは転職してからでないと分からないんですよね。
あなたと合う人もいれば、合わない人もいます。
あらかじめ合わない人がいるかどうかなんて分かりません。
人間関係の良さを求めてキャリアダウンするのは、考え直しましょう。
ただし、競争意識が強く、常にギスギスした環境の会社で働いている人にとっては、キャリアダウンすることで、人間関係の悩みが軽減される可能性はあるでしょう。
やりたい仕事ができる
キャリアダウンしたからと言って、やりたい仕事ができるわけではありません。
キャリアダウンしても、不本意な仕事を任されることもありますし、必ずしも希望通りの部署に配属されるかどうか分かりませんからね。
やりたい仕事をするなら、普通に転職すればOKです。
やりたい仕事や、目標を明確にして転職活動すれば、キャリアダウンしなくても転職できる可能性もあります。
やりたい仕事は、希望する仕事内容を軸に、転職活動を進めるのが良いでしょう。
自分の経験や常識が通用する
これまで培った経験が、キャリアダウンした転職先で通用するとは限りません。
どんな会社でも、その会社の文化や習慣があります。
これまでやってきた経験や、前の会社の常識を持ち出しても、通用しないことがあります。
むしろ、転職先では煙たがられる可能性もあります。
転職したならば、郷に入れば郷に従えを徹底して、これまでの経験や常識を押し通すのは避けましょう。
キャリアダウンしたい時にやるべきこと
キャリアダウンしたい時にやるべきことを紹介します。
キャリアダウンしたいなら、下記のことを意識して行動すれば上手くいきやすいでしょう。
・キャリアダウンに幻想を抱き過ぎない
・転職先に求めるものを明確にする
・転職のプロに相談する
キャリアダウンに幻想を抱き過ぎない
キャリアダウンしたいのは問題ありませんが、幻想を求めすぎるのはNGです。
期待し過ぎたり、理想を抱き過ぎるのは、どんな転職においても避けるべきです。
現実をしっかり見て、客観的かつ冷静に転職先に期待しましょう。
キャリアダウンするから、仕事が楽になる、ストレスフリーになるといった甘え考えは捨てましょう。
普通に仕事をして、普通に給料を貰うだけです。
「今の仕事よりは、あなたに合う職場で働ける」といったくらいの謙虚な気持ちの方が転職に成功するでしょう。
転職先に求めるものを明確にする
転職先に求める条件や、理想とする働き方を明確にしましょう。
働く上で、何を重視するかは人によって異なります。
仕事内容か、労働時間か、社風なのか、求めるものを決めましょう。
そして求めるものが明確になったら、その条件をもとに転職活動をすれば良いのです。
単にキャリアダウンするだけの転職なら、給料が下がって終わりです。
あなたが望む条件や働き方が手に入れるために、キャリアダウンをするのです。
転職先に求める条件を言語化できるように、整理しておきましょう。
転職のプロに相談する
1人で転職活動を進めるのは大変ですし、判断を誤る可能性もあります。
できれば転職のプロのアドバイスやサポートをもらいながら、転職活動しましょう。
ベストなのは転職エージェントを利用することです。
転職エージェントであれば、あなたの希望に合った求人を紹介してくれますし、選考対策もやってくれます。
キャリアダウンしたいと思っても、具体的な注意点や転職理由なども、転職のプロと一緒に考えながら、進めるのでオススメです。
転職エージェントなどの転職のプロと一緒に転職活動始めましょう。
キャリアダウンしたいなら仕事内容や社風を重視しよう
キャリアダウンしたい場合、キャリアダウンを意識し過ぎる必要はありません。
おそらく、キャリアダウンによる転職をしたい人は、以下のことを考えているのでしょう。
・自分のペースで仕事がしたい【余裕を持ちたい】
・自分に合った仕事内容や社風で働きたい【ミスマッチの解消】
・現状の辛い状況から脱出したい【人生を変えたい】
これらの希望を叶えるには、キャリアダウンによる転職も一つの方法です。
しかし、場合によってはキャリアダウンしなくても希望が叶うケースもあります。
そしてキャリアダウンしたからと言って、仕事が楽になったり、余裕を持てるとも限りません。
もちろん、キャリアダウンすれば、求められるレベルが下がる可能性は高いでしょう。
重要なのは、「キャリアダウンすれば全てが解決されるわけではない」ということです。
キャリアダウンしつつも、しっかりと個別に転職先を吟味する必要があります。
そういった意味で、キャリアダウンしたいと考えている人は、「仕事内容」、「社風」、「会社の雰囲気」を重視して転職活動するのが良いでしょう。
実際に面接を受けた時の印象や、職場の雰囲気を観察しておきましょう。
数字では表せない部分をしっかり考慮してキャリアダウンによる転職を成功させましょう。
キャリアダウンしたいと考えるのは逃げではない
なお、キャリアダウンしたいと考えるのは個人的にも正解です。
もしかしたらキャリアダウンによる転職をすれば逃げたと思われるのでは?と不安になるかもしれません。
結論を言えば、逃げでも何でもありません。
転職することで、あなたの希望や理想が叶えられるわけです。
その際に会社の規模や給与の多さなど関係ありません。
身の丈にあった職場で働きたいと考えるのは、非常に理にかなった考え方です。
無理をして高い給料や高いレベルで仕事をし続けることに意味を見出す必要はないですからね。
私も新卒で東京に本社がある上場企業に就職して7年程働きました。
しかし、仕事内容や将来的なことを考えて、給料も規模も小さい会社へ転職をしました。
この転職は上手くいったと思いますし、自分を大きく成長させてくれました。
決して逃げでもありませんし、失敗だったとも思っていません。
自分の人生をよりよくするためなら、キャリアダウンの転職だって問題ありません。
キャリアダウンしたいと考えているなら、自信を持って行動すればOKです。
さいごに
以上、キャリアダウンしたい時の対処法について紹介しました。
自分の身の丈に合った会社で働きたいと考えているなら、キャリアダウン転職はオススメです。
そして、幻想を抱き過ぎずに現実的に転職活動ができれば、大きな失敗もないでしょう。
その上で、転職先に求める条件や希望する働き方をしっかり整理しておきましょう。
キャリアダウン転職することが目的ではなく、自分に合った会社に転職することが目的ですからね。
キャリアダウンしたいなら、個人的には大賛成です。
身の丈に合った会社で働き、より良い人生を歩も始められるチャンスですからね。
ぜひ、勇気をもって、行動し始めてください。
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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