様々な職種が存在する中で、「事務職」はどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「楽そう」、「つまらなさそう」、「大変そう」など、色々あると思います。
そこで、事務職経験10年以上の私が、事務職の楽な部分と、大変な部分をそれぞれ、紹介し、解説していこうと思います。
世間て言われている、楽な部分と、大変な部分でも、実際に経験してみないと分からないことも多いですよね。
この記事は、事務職に興味のある人に、参考になれば幸いです。
それでは、私の実体験をもとに、事務職の本音や実態を紹介していきます。
事務職の仕事内容
事務職はその名のとおり、事務のお仕事です。
書類の作成や、データ処理、従業員の福利厚生や、コンプライアンスに関する手続きなど、仕事内容は膨大です。
内勤であるので、外出することも少ないですね。
例えば、会社の部署で言えば、以下の部門が事務職に該当します。
・人事
・労務
・総務
・財務
・法務
・経営企画
また、業種によっては、以下のように事務職も存在しています。
・営業事務
・一般事務
・医療事務
・貿易事務
・学校事務
上記も含め、派遣の方やパートの方で、補助的な事務職を担当される人もいれば、正社員として、総合職的な役割を担って、事務職の仕事をされている人もいます。
もちろん、女性だけでなく、男性も事務職として大勢活躍していますよ。
上記の部署も、会社の規模によっては、一つの部署で全ての仕事を処理していることもあります。
特に、大企業なれば、分業制で、専門的な業務を任されますが、中小企業になれば、1人で広範囲な仕事を任せられることが多いです。
事務職は、裏方的な側面が強いお仕事ですが、正社員として働く場合は、会社の根幹を支える上で大事な役割を担うポジションもあるので、重要な職種なのです。
事務職の楽なところ
どんな仕事も楽なお仕事もありませんし、「楽すぎて、暇」というような夢のような職場もありません。
しかし、他の職種と比べた時に、負担や苦労が少ないということは大いにあります。
そこで、他の職種と比較した時に、どんなところが「楽」であるのか、ご紹介しようと思います。
<事務職の楽な部分>
・過度なプレッシャーはない
・座っていられる
・お客さんとやりとりすることがない
・自分で仕事を計画的にコントロールできる
・急な呼び出しがない
・急な納期に悩まされずらい
・ノルマがない
・覚えれば、1人で進められやすい
・ルーティン業務も多い
・物腰が優しい人が多い
過度なプレッシャーはない
事務職でもプレッシャーを感じることはもちろんありますし、プレッシャーがないわけではありません。
しかし、営業職のように、お客から理不尽な要求をされたり、無茶な要望を受けることは、ありません。
基本的には、社内の人と仕事をすることが多いですし、法律や規則に則った仕事が多いので、例外を除けば、過度なプレッシャーはないです。
但し、毎日ティータイムで優雅に仕事をしているわけでは決してありませんよ。
座っていられる
内勤の仕事なので、基本的には毎日デスクの前で椅子に座って仕事をしています。
なので、猛暑や寒波の日に外出する必要もありません。
毎日、空調の整った部屋で仕事ができるという部分では、快適に仕事ができる要因ですね。
また肉体労働と比較しても、危険な目に合うこともありませんよね。
お客さんとやりとりすることがない
営業や、販売職などが、直接お客とやり取りをするのに比べて事務職は、直接、お客とやり取りすることはほぼありません。
やり取りがあったとしても、直接的な関係性ではないですし、それがメインの仕事にはなりません。
事務職は限られた人間関係の中で、仕事をすることが多いので、お客に振り回されることがないので、余計な神経を使うこともありません。
自分で計画的に仕事をコントロールできる
事務職の仕事は1年の中で、やることがほぼ決まっています。
なので、計画を立てやすく、自分で仕事の進め方をコントロールしやすいのです。
但し、ルーティン業務だけではなく、突発的な改革案や、トラブル対応が発生することはあります。
全てが計画的ではありませんが、不足の事態を考慮して、計画的に仕事を進めることはできますね。
急な呼び出しがない
せっかくの土日休みであっても、お客から呼び出しがあったり、システムトラブルの対応で休日出勤することがあれば、せっかくの休日が台無しですよね。
事務職は、基本的に休みの日に電話がかかってくることはほぼありませんし、急遽休日出勤することも稀です。
もしそうなっても管理職が出勤するなどの対応になるので、安心した休日を送ることができますよ。
急な納期に悩まされずらい
締め切りや納期は、事務職でももちろんありますが、無茶な納期は発生しにくいです。
というのもお客からの要望によって、納期が早まったり、急がなければならないケースでは、基本、営業職や、技術職などの実働部隊が動くことになるからです。
また、急な納期に間に合わなかった場合、お客相手だと、問題が大きくなりますが、社内的な納期や締めきりであれば、上司や経営層が何も言わなければ、問題にはなりにくいのです。
そういった意味でも、納期の重みや重要性が、事務職と、他の職種では異なってきます。
ノルマがない
定例的な業務であったり、企画書を作るなどの業務であれば、数字として結果が表れることがありません。
ということは、数字を上げて、ノルマを達成しなければならない状況にはならないのです。
数字に追われずに仕事ができるという点では、ストレスがかかりにくいはずです。
仕事を覚えれば、1人で進められやすい
担当業務を覚えてしまえば、1人でガツガツ進めやすいのも事務職の特徴です。
他の職種でも一緒かもしれませんが、事務職の方が、他部署やお客に振り回されにくい点で、
1人の力で、仕事をうまく進めることがしやすいのです。
ルーティン業務も多い
管理職でなければ、ルーティンなどの決まりきった業務の割合がほとんどです。
特にマニュアルがしっかり作られている職場であれば、マニュアル通りに手続きを進めていくことで、仕事をうまく進められます。
もちろん、1割~2割は企画を考えたり、判断する業務もありますが、ルーティン業務の割合の方が多いのです。
物腰が優しい人が多い
職場によっては、ハズレもありますが、個人的な印象としては、事務職には物腰が優しい人が多いです。
もちろん、癖のある人や、人間性に問題のある人、お局さんみたいな人は、稀にいますが、割合としては少ないです。
特に、経営の中枢部門になればなるほど、まともな人が集められているので、度を超えて変な人は少ない傾向になりますね。
事務職の大変なところ
続いては、事務職の大変なところをご紹介しようと思います。
世間のイメージでは、「事務職=楽すぎ」というイメージがあるかと思いますが、決してそんなことはありません。
大変なことや、つらいことも、たくさんあります。
事務職に転職をしようと考えている人は、事務職の大変なところを、しっかり押さえた上で、動き出した方がいいですね。
<事務職の大変なところ>
・自由に外出できない
・仕事ができて当たり前だと思われる
・座り仕事で、運動不足、腰痛める
・周囲からは楽な仕事だと思われがち
・社員のお手本としての行動が求められがち
・パソコンスキルが求められる
・字を書くことが多い
・マンネリ化する
・人間関係に左右されやすい
・会社規模によっては何でもやらされる
・電子化されてないと、地獄
自由に外出できない
内勤であるが故に、自由に外出することができません。
なので、少し休憩したい時、仮眠を取りたい時、カフェに行きたい時、買い物をしたい時に、自由に外出することができないのが、大変です。
職場によっては、多少の自由はあるとは思いますが、長時間外出することは、できないと考えるべきですね。
そういった意味では、かなり窮屈に感じるかもしれませんね。
仕事ができて当たり前だと思われる
事務職の仕事は、マニュアル通りに実施することが多い反面、完璧にできて当たり前と思われています。
なので、仕事をミスなく100%達成したとしても、それは当たり前で、達成感もなければ、誰かから表彰されることもありません。
一方で、当たり前ではありますが、ミスをしたら、怒られますし、反省しなければならないのです。
座り仕事で運動不足になる
内勤というメリットがありながらも、一日中、椅子に座り続けるので、確実に運動不足になります。
また腰を痛めたり、長時間のパソコン使用によって、目が疲れたり、首や肩が凝ったりなど、デスクワークならではの大変さも存在しますよ。
周囲からは楽な仕事だと思われがち
事務職は「楽そう」、大変ではなさそうと思われてしまいます。
実際に事務職を経験している人は、大変さや苦労も分かるのですが、経験したことがない人にとっては、どうしても、楽な仕事に見えてしまうので、どれだけ頑張っても、評価されにくい場合もありますね。
また、「事務職って良いよね~」と他人から言われた時に、心の中では「大変なんだけどな~」と思うこともしばしば経験することになりますよ。
社員のお手本としての行動が求められがち
事務職の中でも、人事や総務といった、会社の中枢部門に関しては、会社のルールや規範の手本になる行動を求められてしまいます。
どの部署でもルールを守るのは当然なのですが、社員にルールを守らせる仕事についている職種(人事、総務、経営企画など)の場合、どうしても模範的な行動が求められ、窮屈に感じることが多々あります。
パソコンスキルが求められる
事務職をマスターするならば、パソコンスキルは必ず必要になってきます。
もちろん、仕事をしていくと、かなり慣れてはくるのですが、細かい仕事や細かい手続きが求められるので、根気と、細かい作業にも苦にならない気質が必要になります。
IT化が進み、システム化されてきている中で、パソコン操作が苦手だと、苦労することは間違いありませんね。
字を書くことが多い
システム化が進んだとは言え、字を書く業務も、かなり膨大に存在します。
証明書を書いたり、行政手続き上、必要な書類を作成したりなど、字を綺麗に書くことが求められる職種でもあるので、字が汚いとかなり苦労しますね。
字を書くことが嫌いな人、システム的な仕事がしたいという人には、面倒に思う部分が多々あるかもしれません。
マンネリ化する
仕事の多くが、事務手続きである以上、正確性や継続性が求められます。
また1年を通して決まったスケジュールで仕事が進んで行くので、かなりマンネリ化するのは、間違いありません。
慣れてくることで、仕事のスピードや精度が上がるのはもちろんですが、やはり面白みや楽しさは、薄れて行ってしまい、飽きてしまうのも事実ですね。
人間関係に左右されやすい
仕事が楽しかったとしても、人間関係が悪ければ、全て台無しです。
特に事務職は周囲の人間関係にかなり左右されやすい職種です。
自由に外出することはできないですし、仕事の連携も多々発生するので、逃げ場がない分、人間関係に恵まれないと、最悪な職場環境になりがちです。
会社規模によっては何でもやらされる
会社の規模が小さかったり、組織体制によっては事務職といっても、人事や総務、経理などの事務仕事を全て任されてしまうケースが存在します。
事務の仕事も、法的な解釈が求められるなど、どれも複雑で難解なものが多いので、仕事の範囲が広ければ広いほど、難易度は上がります。
もちろん、スキルは上がるのですが、その分大変になりますね。
電子化されてないと、地獄
最近は電子化、システム化によって、ペーパーレスが進んではいますが、もし電子化が進んでいない会社で、事務の仕事をすることになれば、地獄です。
膨大な紙をさばかないといけないことに加え、自分が、システム化を推し進めなければならないからです。
一番楽なのは、誰かがシステム化を既にやってくれていて、マニュアルが完備されている状態ですね。
結論、事務職は楽なのか?
以上、事務職の「楽な部分」と「大変な部分」をそれぞれご紹介いたしました。
そこで、結局、事務職は楽なのか?大変なのか?気になるところだと思います。
結論としては、一般的なサラリーマンが担当する、営業職、IT職などに比べれば、楽であるということです。
もちろん、事務職の適正が必要ですし、慣れるまで時間かかりますが、仕事を覚え、人間関係さえ良ければ、オススメの仕事であることに間違いありません。
というのも、他の職種に比べれば、心身のストレスが少ないですし、ワークライフバランスの調和がとりやすいからです。
残業時間もしっかりとした会社であれば、少なめです。
また福利厚生を推進する部署のため、休みが取りやすい傾向にもあるでしょう。
なぜかと言えば、仕事相手が、お客ではなく、社内の従業員や、会社の経営に係る事務であるからです。
但し、大変なことももちろんありますし、決して楽な仕事でないことは言えます。
サラリーマンとして、他の職種と比べれば、多少、負担が少なくて、楽であるということです。
あとは、職場の雰囲気、体制、上司に大きく左右されてしまいます。
人間関係に関しては、こちらでコントロールできないので、ある程度はギャンブルですが、対人関係や自分のスキルを磨くことで、解決していくしかないですね。
「楽」か「大変」であるかどうかは、職種ごとの差も大きいのですが、、職場ごとの雰囲気や人間関係の差も同じくらい大きいので、職種にだけこだわらない方がいいのも事実ですね。
これまで事務職を経験してきた私が思うこと
結論としては、事務職はサラリーマンの職種の中では、比較的「楽」な職種であることをご紹介いたしました。
私自身も事務職を10年以上、経験してきて、会社の実情や周囲の同僚を見てきて感じたことです。
但し、比較的「楽」であるとは言え、大変なことはたくさんあります。
上記で、事務職の大変なところをご紹介しましたが、それ以外にも
人間関係や、仕事のトラブル、ミスなどは、事務職であっても当然起こりうる問題だからです。
世間の人が思い描くように、夢のようのパラダイスが待っている訳ではないことは確実に言えますね。
また、派手な仕事ではなく、物凄く地味な仕事でもありますし、できて当たり前な仕事でもあるので、
人によっては、やりがいや、面白みを感じないということも大いにあり得る職種だと思います。
しかし、自分が事務職としてのプライドやスキルをマスターしていけば、確実にステップアップしていくことができますし、自分の専門性を磨くことができます。
個人的には、楽しい仕事ではないけれど、専門的なスキルを磨くことができるのが、事務職の良いところだと思っています。
事務職の専門性を磨けば、どの会社であっても、通用する人材になることができますからね。
物凄く楽でもないけれど、他の職種のように、過度なストレスを感じることなく、専門性を磨くことができる事務職は、個人的にはオススメの職種だと思っています。
さいごに
以上、事務職の「楽な部分」と「大変な部分」をそれぞれご紹介してきました。
事務職は、誰でもなれるわけではありませんし、能力的な適正と、人間として信頼できる人物かどうかも、見極められます。
特に、人事、労務、総務、経理、法務といった、経営に直結する部門は、能力以上に人物的な評価を見られる傾向にあります。
また、いくら適正があっても、求人がなければ意味がないのも事実です。
営業やIT職と比べれば、求人が少ないのも事実ですが、ゼロというわけではありません。
特に、事務職の経験がなくても他の職種で、活躍しているような人であれば、その経験を活かすことは十分できます。
事務職の求人も、たまには上がっているので興味のある人は、実際に転職活動をしてみてはいかがでしょうか。
以上、最後までよんでいただきありがとうございました。
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