休職中に転職活動するのは違法ではない【人経験者が解説】

転職活動・転職したい
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体調を崩して休職している人の中には「転職活動を始めたい」と考えている人もいますよね。

 

しかし、会社を休んでいるのに転職活動をしていることに、罪悪感を感じてしまう人もいるでしょう。

そして、以下のような疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか。

・休職中に転職活動をしても違法ではないのか?

・休職中でも転職活動を成功させることは可能なのか?

・休職中なのに、会社に退職の申し出をするのが気まずい。

 

結論から言えば、休職中に転職活動をしても違法ではありませんし、転職することも可能です。

 

私はこれまで人事の仕事を10年以上経験し、多くの休職者や退職者の人と携わってきました。

 

そんな経験から、休職中の転職活動に対する違法性や、注意点などをご紹介します。

 

休職中に転職活動をすることは違法なのか?

まず、休職中に転職活動をすることは違法なことではありません。

 

理由は以下の2つです。

<休職中の転職活動が違法ではない理由>

・休職に関わる制度は会社が規定しており、法律上の決まりやルールは存在しない
➡休職に関する法律がないので、違法性を問われることはない。

・憲法で職業選択の自由が保障されている
➡憲法22条「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」

 

まず、休職制度は、会社が独自に定めている制度になり、法律上の規制やルールはありません。

 

ですので、休職中に転職活動をしようが何をしようが、法律上の罰則が適用されないので、違法ではありません。

 

仮に、会社が「休職中の転職活動」を就業規則で禁止していたとしても、

憲法の「職業選択の自由」に違反しているので、その規定は無効になります。

 

いくら休職中に転職活動をしたとしても、それを禁止する法律も会社の規程も存在し得ないのです。

 

要するに、休職中に転職活動をしても違法にならないことになりますね。

 

休職中に転職活動をするのはモラル違反?

とは言え、休職中の転職活動に違法性はなくても、「モラル違反なのでは?」と思われるかもしれません。

 

結論から言えば、モラル違反ではありません。

 

体調不良による休職の場合には、「仕事ができない」、「職場に行けない」のであって、

外出や社会生活が禁止されるわけではありません。

 

休職している人も、普段の生活や気分転換は当然のごとく必要です。

 

休職しているからと言って、常に家に引きこもっていては、余計に体調が悪くなりますからね。

 

むしろ、以下のようなケースでは休職中でも転職活動をしておいた方が良いでしょう。

・ハラスメントや違法な働き方を推奨している会社で働いている時

・職場に復帰するつもりがない時

・休職期間が満了しそうな時

 

会社がブラック企業で、休職する原因となっている場合は、転職活動を進める方が良いでしょう。

おそらく復帰しても、再び体調を壊す可能性が高いですし、あなたの身を案じることが先決です。

また休職期間が満了して退職となれば無職になるので、無理のない範囲で転職活動をするのも一つの方法です。

 

 

もちろん、嘘を付いて休職したり、体調不良を悪化させるような行動をしていれば、モラル違反です。

 

転職活動をすることは、違法でもなければ、モラル違反でもありません。

 

休職中に転職活動を成功させることは可能?

違法性がないとしても、休職中に転職活動を成功させることは可能なのでしょうか?

 

結論から言えば、休職中であっても転職活動を成功させることは十分可能です。

 

しかし、以下のような疑問を抱くのではないでしょうか?

休職中だと面接官の評価が低くなるのでは?

現職に転職活動がバレてしまうのでは?

 

それぞれ下記の通り、解説します。

休職中だと面接官の評価が低くなるのでは?

前提として、転職活動の際に、休職中である旨をわざわざ伝える必要はありません。

ですので、面接官はあなたが休職中であるかどうかは、分からないのです。

もちろん、休職中であることを伝えれば、面接官の評価は低くなります。

やはり、即戦力で元気のある人を採用したいのが、面接官の本音ですからね。

しかし、休職中であることを伝える義務はないので、伝えなければ評価が低くなることはありません。

 

 

現職に転職活動がバレてしまうのでは?

休職中の転職活動は、ほとんどの場合、会社にバレることはありません。

SNSで転職活動を発信していたり、四六時中、外出していて、誰かに見られたりすれば、

バレる可能性はありますが、目立つ行動をしなければ、バレることはありません。

休職中であろうが、働いていようが、わざわざ周囲に言いふらしたりしなければ会社にバレることはないです。

仮にバレてしまっても、違法性があるわけではないので、堂々としていれば問題ありません。

 

 

ただし、休職中であることが転職活動においてデメリットに感じることがあります。

具体的には、以下の点です。

・無理をして体調不良を悪化させてしまう可能性がある

・体調不良が原因で、本来の能力や魅力が発揮できない可能性がある

 

仕事ではないにしろ、体調が万全ではない状況では、転職活動もある程度セーブしなければならないでしょう。

 

また、面接なので、本来の能力や魅力を出せない可能性もあります。

 

体調を壊す前の時と比較すれば、やはり多少はハンデを背負っての転職活動になります。

 

 

実際に、休職中に転職を成功させている人はいますので、その時の体調や調子を見極めた上で、

上手くコントロールしながら転職活動を行えば、成功するでしょう。

 

休職中の転職は可能だけどタイミングベストではない

休職中の転職は可能ですが、ベストタイミングではありません。

 

なぜなら、まずは体調を回復させることが先決であるからです。

 

まだ復職できる状況でもないのに、転職して働き始めるのは避けるべきですからね。

そして本調子でない状態で選考を受けても本来の能力が発揮できず、体調が悪化する恐れもあります。

 

ですので休職中に転職する際は下記のタイミングを狙うのがベストです。

・復職の目途が経っている日を目指して転職する

・転職活動はいくらでもやってOK(無理をしない範囲で)

 

無理に転職してしまうと、体調が悪い状態で働き始めなければならなくなります。

 

休職中の転職で大事なのは「体調を回復させること」、「転職活動を始めておく」ことです。

復職できそうなタイミングで、いつでも転職できるようにしておきましょう。

 

休職中に転職活動を進める際の注意点

それでは、休職中に転職活動を進める際の注意点やアドバイスをご紹介します。

 

具体的な注意点は、下記のとおりです。

・体調を第一に優先して転職活動する

・自分に合った転職先を見つける

・焦らず冷静に判断する

・休職していることを積極的に伝える必要はない

・転職エージェントを活用する

 

体調を第一に優先して転職活動する

転職活動も疲れやストレスを感じるものです。

自分の体調を上手くコントロールしながら、転職活動を進めましょう。

無理にスケジュールを詰め込みすぎたり、プレッシャーをかけ過ぎて、体調を悪化させないことが第一優先です。

無理のないペースとボリュームで、ゆっくりと転職活動を進めましょう。

少しでも体調が悪化したら、転職活動は一旦、中止にするのがベストです。

 

 

自分に合った転職先を見つける

自分の能力や適性に合った職場に転職しましょう。

もし、過労やストレスが原因で休職したのであれば、負荷の少ない仕事を見つけるべきです。

また同じような職場に転職すれば、再度、体調を壊してしまう可能性が高いですからね。

面接では、自分を良く見せたくなるものですが、ありのままの自分を見てもらい、

ミスマッチが起きない会社に転職できるのがベストです。

 

 

焦らず冷静に判断する

転職活動を焦ってしまうと、後で後悔することになります。

休職中ということで、心に余裕がなかったり、冷静な判断ができない可能性があります。

納得のいく会社が見つからなければ、今の会社に復職することも検討しましょう。

仮に職場復帰しても異動できるチャンスもあります。

転職することが全てではないことを意識して、冷静な転職活動を行いましょう。

 

 

休職していることを積極的に伝える必要はない

面接をする際に、休職している事実を伝えるかどうか、迷いますよね。

面接時に、休職していることを伝える義務はありません。

ですので、結論としては「自ら積極的に伝える必要はない」と思います。

ただし、転職後に持病や体調のことで、会社に配慮してもらう必要があるなら、伝えておいた方がいいでしょう。

せっかく転職したのに、ミスマッチが起きてしまっては、最悪ですからね。

 

 

 

転職エージェントを活用する

転職エージェントに登録し、転職活動のサポートをしてもらいましょう。

休職中であることを伝えることで、あなたに合った転職先や活動方針を提案してくれます。

また、あならの代わりに、企業情報を調べてくれたりするので、負担が減ることになります。

休職中であることを転職エージェントに伝えても、不利になるようなことはないので、ぜひ利用しましょう。

 

 

 

休職中に退職する際の注意点

次に、休職中に退職する際の注意点をご紹介します。

 

転職するにしても、単に退職するにしても、退職の手続きが必要になります。

 

仮に休職中に退職するとなれば、通常の退職よりも色々と気を遣いますよね。

 

具体的な注意点は下記のとおりです。

・退職理由は配慮して伝える

・退職の時期は就業規則を確認する

・嘘でも感謝の気持ちを述べる

・退職代行は最終手段

 

 

退職理由は配慮して伝える

退職を伝える時には工夫が必要です。

まず、退職の申し出は上司に伝えましょう。

 

そして、退職理由についてはなるべくマイルドで、ポジティブな表現に変えましょう。

例えば、以下のように、表現を変えましょう

・人間関係が最悪だから退職する ➡ 周囲の人に迷惑をかけるので転職する

・仕事が辛いから退職する ➡  自分のレベルに合った会社に転職する

 

仮に「労働環境に我慢できない」というのが本音だとしても、

そのまま伝えるのはトラブルの元になりますし、後で後悔する可能性が高いです。

 

ネガティブな理由を直接伝えると、上司も引き留める可能性がありますので、表現には気を付けましょう。

 

なお、伝える時はメールでも電話でも大丈夫です。

電話できる状態であれば、先にメールで要件を伝え、詳しい話を電話でするのも良いでしょう。

場合によっては、カフェなどで直接会って、話をするケースもあります。

 

 

退職の時期は就業規則を確認する

退職日については、就業規則で退職のタイミングを確認しましょう。

 

退職する日の何日前に、申し出が必要なのかが、規定されています。

 

法律では最短2週間前に伝えれば、退職することができますが、

就業規則に従って、退職日を決めるのが、無難でしょう。

 

大抵、「1か月前」に退職の申し出をすることが多いです。

 

休職中であれば、仕事を引き継ぎも発生しないので、割と最短で退職することができるでしょう。

 

急に退職すると、会社側も手続きに手間取るので会社の就業規則に則ったタイミングで退職しましょう。

 

 

嘘でも感謝の言葉を述べる

退職の際は、嘘でも感謝の言葉を伝えましょう。

 

体調不良になった原因が、人間関係や過労である場合、感謝の気持ちどころか、不満でいっぱいでしょう。

しかし、不満や恨みを伝えても、メリットがありません。

むしろトラブルになったり、会社側から恨みを買うケースもあります。

 

とりあえず、円満に退職するに越したことはないのです。

定型的な感謝の言葉で良いので、「これまでお世話になり、ありがとうございました」と伝えましょう。

 

 

 

退職代行は最終手段

休職中の退職手続きは面倒ですが、退職代行を使うのは最終手段と考えた方がいいでしょう。

 

退職代行は以下のようなケースで使うのがオススメです。

・会社と連絡を取りたくない

・会社とトラブルを抱えている

 

退職代行を使うと、自分の代わりに、会社との手続きを全てやり取りしてくれるので、

連絡を取り合いたくない時には、非常に便利なサービスです。

 

一方で、会社としてはあまり良いイメージは持たれないので、円満な退職にはならないでしょう。

退職代行のサービスは、会社と一切、連絡を取りたくない時の、最終手段として利用しましょう。

 

 

休職中であることを転職先に伝えるべき?

休職中の転職で気になるのが、「休職中であることを伝えるべきか?」ですよね。

 

まず、休職中であることを伝える義務はありませんし、伝えたくない場合は伝える必要はありません。

 

ただし、以下のようなケースでは休職中であることを伝えた方が良いでしょう。

・体調面での配慮や考慮を必要とする時

・休職期間が長い時

・働くことにプレッシャーを感じる時

・体調面について会社が詳細な確認をしてきた時

 

体調面での配慮や考慮を必要とする時

一度休職した人にとって、再度バリバリ働くことに不安を感じる人もいるでしょう。

 

復職した際、以前と同じように働ければ問題ありませんが、医師の制限を設けられている場合もありますよね。

時間外労働の制限や、ストレスの負荷が大きい仕事を避けるなど、あらかじめ伝えた方が良いケースもあります。

 

体調面での配慮を必要とする場合、転職先に休職中であることは伝えた方が良いでしょう。

 

 

休職期間が長い時

休職期間が1年を超えるような場合、転職先に伝えた方が良いでしょう。

 

ブランクが長ければ、仕事をすることへの抵抗感が生まれますし、ストレスや業務負荷も増えてしまいます。

1年以上働いていなかったのに、転職していきなり通常通り働くのは、負荷がでかすぎますからね。

 

休職期間が長い場合、転職後の負担も含めて、休職中であることを伝えておいた方が良いでしょう。

 

 

働くことにプレッシャーを感じる時

働くことに自信を喪失し、プレッシャーを感じやすい場合も休職中であることを伝えた方が良いでしょう。

 

転職先に知ってもらえているだけで、気持ちが楽になれますし、業務における一定の配慮も得られます。

精神的な負担を減らし、ミスマッチを防ぐ意味でも、伝えるのはメリットがあるでしょう。

 

復職できるものの、不安感が強くプレッシャーを強く感じているなら、伝えておきましょう。

 

 

体調面について会社が詳細な確認をしてきた時

稀に、体調面や直近の勤務成績などを確認する会社があります。

 

その際に、嘘をつくと場合によってはトラブルになりますし、ミスマッチの原因になります。

体調面等の確認を詳細にしてきた場合は、素直に答えた方が、あなたにとっても良いでしょう。

 

休職中の転職において避けるべきはトラブルと再発防止ですからね。

 

 

転職後に再び休職しないための転職活動のポイント

転職に成功したとしても、再び休職することだけは避けたいですよね。

 

休職中の転職活動において、転職後のミスマッチを防ぐポイントを紹介します。

・職場の雰囲気や働き方を重視した条件に絞る

・休職歴があることを受け入れてくれる会社を探す

・転職エージェントを利用する

 

 

職場の雰囲気や働き方を重視した条件に絞る

ストレスやプレッシャーが少ない職場もしくは職種を選ぶようにしましょう。

 

成果重視の営業や、給与が高い会社は、求められるものも高く、ストレスやプレッシャーが増えます。

待遇や福利厚生よりも、職場の雰囲気や働き方重視の転職先を見つけましょう。

場合によっては、年収を下げでも、あなたに合った会社に転職した方が良いでしょう。

 

背伸びをせずに、身の丈に合った会社選びが重要です。

 

 

休職歴があることを受け入れてくれる会社を探す

休職歴があったとしても採用してくれる会社であれば、安心して働けるでしょう。

 

もちろん、選考では不利になる可能性もありますが、ミスマッチの確率を減らすことができます。

あなたの能力や人柄を必要としてくれる会社に働く方が、ストレスが少なく働ける可能性は高いですね。

理想を高く設定せずに、安心、安全に働ける職場で働くべきです。

 

選考の通過率を減らす反面、転職後にミスマッチするリスクを減らす方法ですね。

 

 

転職エージェントを利用する

転職エージェントのサポートを受けて、選考通過率の向上とミスマッチを減らしましょう。

 

転職エージェントはプロのキャリアアドバイザーが、求人紹介、選考対策、面接日時の調整など、あなたの代わりに企業とのやり取りもしてくれるサービスです。

 

しかも無料で、転職のサポート、アドバイスをしてくれるので、転職活動では必須です。

特に、休職中の方であれば、不安感もあるでしょうし、選考対策も必須になるので、使うべきですね。

 

 

 

休職中の転職活動は違法ではない<まとめ>

以上、休職中に転職活動することは違法ではない理由をご紹介いたしました。

 

休職中だからといって、転職活動をしても、何も問題はありませんし、違法ではありません。

 

法律もなければ、会社で禁止にできるものではありませんからね。

 

ただし、体調を崩して休職している場合は、体調を優先することが第一ですね。

 

体調をコントロールした上で、焦らずに転職活動を進めていきましょう。

 

 

それでは、この記事の内容をまとめます。

<休職中の転職活動は違法ではない・まとめ>


・休職中に転職活動をしても違法ではない

・休職中の転職活動は体調を優先する

・休職中の転職活動は転職エージェントが便利

 

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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