人事異動がきっかけで、うつ病になったり体調を壊す人はいます。
そして、このまま働き続ける気力が湧かず、休職する人もいれば、退職する人もいますよね。
ストレス耐性は人によって異なりますが、異動は確実にストレスが増えますし、
うつ状態を引き起こすきっかけにもなります。
私はこれまで人事の仕事を10年以上経験し、様々な異動や体調不利の社員と関わってきました。
そんな経験をもとに、対策やアドバイスを紹介しますので、参考にしてください。
この記事では下記のような人に読んでもらえたら幸いです。
<こんな人に読んでもらいたい>
・異動したけど上手くいかず悩んでいる人
・異動して体調を壊して、退職したいと考えている人
・異動が原因でうつになりそうだから、退職を検討している人
異動が原因でうつになる理由とは?退職したくなる?
異動が原因でうつになる可能性は十分あります。
たかが異動で?と思われるかもしれませんが、異動は想像以上にストレスがかかるものなのです。
では、具体的な理由をご紹介します。
・異動によって仕事をゼロから覚えなければならないから
➡部署が違えば、仕事内容も異なります。
➡仕事を一つ一つ覚えなければなりませんし、最初のうちは分からないことだらけです。
・異動によって人間関係がリセットされるから
➡上司や同僚が全て変わってしまいます。
➡自分と合わない人もいるでしょうし、最初は気を遣うでしょう。
・異動後のキャリアについて、不安や心配を抱くから
➡このまま異動後の部署でやっていけるかどうか不安になる
➡希望する働き方や仕事と違うことに、ギャップを感じる
主に、上記で挙げた要因によって、異動後にうつになったり体調を崩すことはよくあることです。
そして、本当にうつになってしまったら、休職するか、退職することになるでしょう。
要するに、部署異動というのは、仕事内容も、人間関係も全てが変わってしまうのです。
職場環境が大きく変化するというのは、かなりのストレスになりますし、
不安や心配が増えるものなのです。
上手く適用できれば、良いのですが、ストレスが限界を迎えると、うつなどの体調不良に陥るでしょう。
部署異動は、大きなストレスになりますし、誰もがうつになる可能性を秘めているのです。
異動が原因でうつ(体調不良)になって退職する人は多い
とは言え、異動して体調を崩し、実際に退職する人は少ないのでは?と思いますよね。
しかし私の経験上、異動がきっかけで体調を崩して、そのまま退職する人は多い印象です。
なぜなら異動したばかりだと、退職しやすいからです。
異動して悩んでいる人は、以下のような感情を抱きがちです。
・仕事を全て任されていないから、引継しなくて良い
・異動後の部署が自分に合わないのであれば、いっそのこと転職した方が良い
・休職して戻ってくるのが気まずいから、退職or転職しがち
もちろん、会社に残るケースもありますが、会社のことが好きであったり、転職に抵抗がある以外は
退職や転職する人も多いでしょう。
異動によって仕事内容も、人間関係も一旦、リセットされます。
ですので、退職や転職に踏み出す良いきっかけになるのです。
そして、うつなどの体調不良になってしまって、休職から復職するのも気まずさを感じますし、
今後の昇進やキャリアにも影響することを考慮すれば、新しく再スタートをきる人が多いでしょう。
実際に、私も人事担当者として、多くの退職者を見てきましたが、
異動が原因でうつ(体調不良)になり、退職する人を1年に1人は見てきました。
環境の変化は、うつになる可能性を高めますし、退職するのに良いキッカケになるのです。
異動が原因でうつになった時は退職よりも休職すべき?
実際に、異動後に体調を崩し、うつになった際、退職すべきか休職すべきか迷いますよね。
いきなり退職することはないでしょうが、休み始めてしばらくすると、
長期的な休職の手続きを取るか、退職するかの判断に迫られます。
結論としては、下記の選択がオススメだと思います。
「一旦、会社を休み、しっかりと判断が出来る状態になってから、冷静に退職すべきかを考える」
やはり、体調が悪い状態で退職するかどうかを判断するのは、少し危険です。
感情的で極端な精神状態で、大きな決断をするのは避けるべきです。
後悔する選択になりがちですからね。
まずは有給休暇もしくは会社の休職制度を利用して、しばらく休みましょう。
そして復帰するかどうかのタイミングで退職するか、復帰するかを選べば良いのです。
その際に、自分一人で考えるのではなく、家族や友人、主治医、場合によっては上司や
人事部の人と相談した上で、自分が復帰した方が良いのかどうか、判断すれば良いでしょう。
ですので、退職か、休職かを選ぶケースでは、まず休職することをオススメします。
なお、個人的に退職すべきか、復帰すべきかの判断は下記の点を参考にしてみてください。
<復帰すべきケース>
・復帰にあたり、会社側が配慮してくれる
・会社自体はホワイトな環境で、良い会社
<退職すべきケース>
・会社がブラックでどの部署も職場環境が悪い時
・他にやりたい仕事や理想的な働き方があって転職したい
うつ(体調不良)を理由に異動を拒否できる?
うつや体調不良を理由に異動を拒否することはできるのか、気になりますよね。
結論から言えば、原則、異動を拒否することはできません。
人事異動は会社が決めるものであって、従業員がそれを拒否する権利はないからです。
但し、体調を理由に、配慮をお願いすることはできます。
例えば、仕事内容や人間関係などが体調不良の直接的原因となっている場合は、
会社側も一定の配慮をしてくれる可能性は高いでしょう。
また、医師の診断書や産業医の面談結果によっては、
異動の取りやめや他部署への異動が実現する場合もあります。
実際、私も人事担当者として、体調不良者に対する配慮によって異動を取りやめたり、
逆に異動させる事例を何度もみてきました。
ですので、異動を拒否したり、異動を希望したからと言って、必ずその通りになることはありません。
しかし、お願いベースで相談したり、医師の診断書、産業医面談の結果によって、
一定の配慮を示してくれる可能性は高いでしょう。
異動が原因でうつになり、退職したい時の注意点
では、さいごに異動が原因でうつになり、退職したい時の注意点を紹介します。
上記でも紹介しましたが、うつなどの体調不良になったからといって、
退職するのは判断が早すぎます。
また、退職するにしても準備を行って上で、計画的に退職をするべきです。
では具体的な注意点をご紹介します。
・突然辞めたり、会社からの連絡を無視するのはNG
・うつが治るまでは休職しておく
・転職先を確保してから退職する
突然辞めたり、会社からの連絡を無視するのはNG
異動で体調を崩したからと言って、急に会社を辞めたり、上司からの連絡を無視するのは避けるべきです。
やはり、会社にも迷惑をかけますし、心配をかけてしまいます。
ハラスメントを受けているような場合は例外ですが、そのケースでも自分で判断しないようにしましょう。
うつになり、体調が悪い状況では、会社に配慮する余裕もないとは思いますが、
社会人として、最低限のマナーを守っておきましょう。
決して、無理をせずにゆっくりで大丈夫です。
会社として必要な手続きは対応しつつ、退職する時は事前に伝えて、計画的に進めましょう。
うつを治るまでは休職しておく
異動後のうつが治っていない状態で退職するのは避けるべきです。
休職期間が満了していないなら、休職していた方が、給料や社会保障の傷病手当金などが受給できるので、
生活にも困りません。
勢いで退職してしまうと、経済的にも社会的にも孤立してしまい、余計に自分を追い込んでしまいます。
もし、うつが治っていないなら、休職期間満了まで利用すればOKです。
しっかり治ってから、退職や転職の手続きをして、退職しましょう。
転職先を確保してから退職する
体調の状態にもよりますが、なるべく転職先を確保してから退職しましょう。
無職になってからの転職活動は不利になりますし、焦りや不安で転職が失敗する可能性が高くなります。
休んでいる間に少しでも良いので、転職活動を始めておくと良いでしょう。
また、異動でうつになり、あなたの働き方に関する考えも変わったでしょう。
あなたが希望する、そしてあなたに合った求人を見つけ、応募するべきです。
そのためには、転職エージェントを活用すべきです。
非公開求人を含めて、あなたに合った求人をエージェントが紹介してくれます。
まとめ
以上、異動が原因でうつになり、退職したい時の対策について紹介しました。
異動がきっかけでうつになったり、体調を壊す人は多いです。
職場環境が変わると、ストレスも増えますからね。
また、上司や同僚と合わないケースもあるでしょう。
実際、私も人事担当者として多くの人事異動に携わってきましたが、
異動が原因でストレスが増え、休職したり、退職する人を一定数見てきました。
会社員として働く以上、異動は「自分ではコントロールすることができない」ものなので、
いつ自分が異動によって、うつになったり、体調を壊すかは誰にも分かりません。
優秀な人であったり、前向きで明るい人であっても、職場環境が代わり、
休職したり、退職するケースはいくらでもあるのです。
もし、あなたがそのような状況に陥ったならば、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
そして、自分を責め過ぎないようにしてください。
ある程度、仕方がないことと捉えて、次のスタートに向けて、準備を進めていきましょう。
では、この記事の内容をまとめます。
・異動が原因でうつ(体調不良)になることはある
・退職する前に、一度休職してから冷静に判断しよう
・退職するなら、会社には迷惑をかけるのはNG!転職先も確保しておこう!
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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