会社に入社して1年で辞めたいと思うことはありますよね。
しかし、会社を1年で辞めるのは「迷惑なのでは?」と思ってしまいますよね。
結論からいえば、迷惑ではありませんし、非常識でもありません。
会社を1年で辞める人はたくさんいますし、会社も上司も慣れています。
人によっては1ヶ月で辞めてしまう人もいるくらいですからね。
私はこれまで人事の仕事を10年以上経験し、たくさんの退職者と関わってきました。
そんな経験から、「会社を1年で辞めることが迷惑なのでは?」と不安に思っている人に
アドバイスや不安の解消法をご紹介したいと思います。
<私の経歴【2024.1現在】>
・10年以上の人事労務経験
・多くの退職者、転職者の相談や実務経験に対応
・20代で東京から関西へのUターン転職を経験
⇒上記の経験から現実味のある対策や提案をご紹介します。
会社を1年で辞めても迷惑にはならない理由
会社を1年で辞めることは、非常識ではありませんし、よくあることです。
もちろん「辞めるよりは続けてもらいたい」というのが、上司の本音ですが、
あなたが考えているほど、会社にとっては迷惑ではないのです。
では、その理由を具体的に紹介していきます。
・会社を1年で辞める人は多い
・1年目で辞めても3年目で辞めても一緒
・仕事を覚えていない1年目が辞めても会社はノーダメージ
・辞めても代わりがすぐ入ってくるから
・会社も管理職も慣れている
会社を1年で辞める人は多い
そもそも1年で辞める新入社員はたくさんいます。
新入社員の場合、社会のことが分からないため、1年目で辞めることが物凄く「大きなこと」だと気にし過ぎて
しまいがちですが、そんなことはありません。
厚生労働省の調査によると、1年目で辞める人の割合は11%程度で3年以内に離職する人は3割を超えます。
正直言って、全然珍しいことではありませんし、どの会社でも起こり得ることなのです。
➡新入社員が50人いる場合、5人~6人は1年で辞めていることになりますね。
1年目で辞めても3年目で辞めても一緒
1年目で辞めようが、3年目で辞めようが、辞めることに変わりはありません。
将来の幹部候補生が減ってしまうので残念ではあるのですが、会社からすれば大差ありません。
もし3年以内に辞めるつもりなら、1年目で辞めた方が、会社にとってもダメージが少ないでしょう。
1年目で辞めるのが申し訳ないから、3年目で辞めようと思っているなら間違いなので、要注意です。
➡1年目だから、特別、会社にとって迷惑になることはないんですよね。
仕事を覚えていない1年目が辞めても会社はノーダメージ
正直言って、1年目の新入社員であれば、職場の戦力にはなっていないでしょう。
先輩のお手伝いや、今後を見越した教育を受けている段階がほとんどです。
1年で辞めたとしても、会社の業務は滞りなく進みますし、ノーダメージと言っていいでしょう。
むしろ、1年目が辞めるだけで、会社に大きな損害が出るような会社は、はっきり言ってかなりヤバいですね。
➡一人前になる前に辞める方が、会社にとって軽傷です。中堅のエースが辞める方が迷惑になっちゃいますね。
辞めても代わりがすぐ入ってくるから
1年目であろうと部署のメンバーが、一人いなくなるのは、多少の悪影響が出てしまいます。
新入社員であっても雑用や頼まれごとくらいはできますからね。
しかし、退職した後に、すぐに人員が補充されて代わりの人がやってきます。
ですので、あなたの代わりはたくさんいますし、辞めた後のことを気にし過ぎることはないのです。
➡通常、退職者が出れば人員補充が実施されます。そして何とかなるものなのです。
会社も管理職も慣れている
部下が退職することは、管理職であれば慣れています。
仮に1年目が辞めることになって、驚くことはあっても、迷惑に感じる上司はいないでしょう。
もちろん、ちょっとした寂しさを感じるものですが、迷惑や損失を考えることはないですね。
会社としても、「退職するのは残念だな」くらいにしか思っていません。
➡そもそも会社としては誰かが辞めても良いように、常に準備をしているものなのです。
会社を1年で辞めることはメリットもある
一方で、会社を1年で辞めるのは良いこともあります。
具体的なメリットは下記のとおりです。
・無駄な時間を過ごすことなく、次のチャレンジができる
・失敗してもやり直しがしやすい
・第二新卒として転職活動ができる
無駄な時間を過ごすことなく、次のチャレンジができる
やりたいことが見つかった時に、すぐ方向転換できるのが、1年で辞めるメリットです。
やりたくもないことや、向いていない仕事を何年も続けてしまうことの方が、リスクになりますからね。
1年間で、社会のことも分かるでしょうし、自分がやりたいことが、ある程度は見えてくるはずです。
まずは1年間で社会を体験し、その後、自分が本当にやりたいことに、舵を切るくらいの感覚でも良いですね。
➡自分のやりたいことに気付き、行動できることは素晴らしいことです。
失敗してもやり直しがしやすい
若いうちの失敗は、成長に繋がります。
1年で辞めることは、人生にとってマイナスなことばかりではないのです。
若い時の挫折は成長もできますし、新たな気づきや学びを与えてくれるはずです。
むしろ、年を取ってから退職や転職をする方が、リスクも大きく、ダメージはでかいでしょう。
➡失敗してもいくらでもやり直せるので、次の成功のための投資だと思っても良いですね。
第二新卒として転職活動ができる
1年目での退職は、第二新卒として転職活動をすることができます。
中途採用ではなく、同じ新卒の人達と選考を受けられるので、転職を成功させやすいでしょう。
また、中途採用では募集していない企業でも、第二新卒であれば募集している企業はたくさんあります。
再スタートをきる上でも、1年目での退職は転職活動においてメリットを得られるのです。
➡第二新卒として転職活動を進めるなら、下記の転職サイトを積極的に活用しましょう。
会社を1年で辞める人に対する会社の評価や感想
次に、1年で辞める人に対する会社や上司の感想が気になりますよね。
そこまで迷惑ではないとしても、「あまり良い印象ではないのでは?」と不安に思いますよね。
1年で辞める人に対する会社の評価や感想を、人事部経験者の目線から紹介しようと思います。
<会社を1年で辞める人に対する周囲の評価>
・職場環境が気になる
・心配になる
・あまり気にならない
職場環境が気になる
新入社員が辞めるとなれば、配属された部署に問題があったのでは?と思いがちです。
例えば、上司や先輩が新人をしっかり面倒見ないことで、退職するケースは多いからです。
1年で辞める新人のことも気になりますが、辞めさせてしまった会社の職場環境は大丈夫なのか?
と疑問に思うのが、本音です。
特に、経営層になればなるほど、本人のことよりも、職場環境や管理職に対する疑心暗鬼が生まれやすいですね。
心配になる
1年で辞める時の、社内の同僚達はシンプルに、心配になります。
本当に1年で辞めて、「この先大丈夫なのだろうか?」とあなたを心配してくれます。
また、今働いている人達は、辛い事を乗り越えて働き続けているので、
「1年で辞めるなんて、考えられない」と思っている人もいますからね。
本当は1年で辞めても問題ないのですが、キャリアや人生について、心配する人が多いでしょう。
新入社員の場合は、恨まれたり、嫌われるいうよりも、心配する気持ちの方が圧倒的に高いですね。
あまり気にならない
正直言って、大多数の人は1年で辞める人のことを、気にしていません。
もちろん、部内の人や、上司など、一部の経営層は気になったり、多少の影響を受けます。
しかし、社内のほとんどの人は1年で辞めようが何しようが、関係がありませんからね。
また心配していた周囲の人も、辞めた後、1週間も経てば、忘れてしまうのが本音です。
数年後の笑い話になれば良いほどで、ほとんどの場合は、話題にすら上がらないでしょう。
会社を1年で辞める際の注意点
会社を1年で辞めるのは、全然問題ありませんし、迷惑でもありません。
しかし、注意しなければならないことはあります。
何も気にせず、何も対策せずに辞めてしまうことは避けましょう。
注意点は下記のとおりです。
・辞める原因を会社のせい(責任)にしない
・なるべく会社に迷惑をかけないようにして辞める
・転職先を確保しておく
辞める原因を会社のせい(責任)にしない
入社して1年目は辛い時期でもあります。仕事を覚えたり、社会人としての洗礼も受けます。
ですので、理不尽に感じることもありますし、辛いのは当然なことです。
ですので、本当に会社のことが嫌いで辞める場合であっても、100%会社のせいにしないようにしましょう。
なぜなら、あなたの成長が止まってしまうからです。
どんな理由であれ、あなた自身にも問題があったことを自覚し、その欠点を改善するように努めましょう。
➡会社が100%悪いケースというのは、稀ですからね。
なるべく会社に迷惑をかけないようにして辞める
1年で辞めることが迷惑ではないと言っても、多少の配慮や遠慮はしましょう。
例えば、退職日を伝えるのは最低でも2か月前に言うのが良いでしょう。
そして、しっかりと業務の引継ぎを行うのが最低限のマナーです。
加えて、退職時期については繁忙期を避けられるのがベストですね。
➡1年で退職とは言っても、お世話になった上司や先輩に感謝の気持ちを伝えることも忘れないように。
転職先を確保しておく
辞めると同時に、転職先を確保しておくことがかなり重要です。
なぜなら退職した後に、無職という状態は絶対に避けた方が良いからです。
なぜなら収入源がなくなりますし、何より転職活動が難しくなるからです。
在職中に転職活動をしておき、転職先が決まるまでは「辞めない」くらいの方が良いですね。
➡無職の状態で転職活動をすると、選考も不利になりますし、不安感に苛まれることになります。
会社を辞めたいている人は下記の記事も参考にしましょう。
会社を1年で辞めるべきか、続けるべきか迷った時は?
以上、「1年で会社を辞めることは迷惑なのか?」について解説してきました。
繰り返しになりますが、1年で辞めることは迷惑でも何でもありません。
どちらかと言えば、「心配される」か、「無関心」のどちらかです。
その上で、あなたが、会社を1年で辞めるべきかどうか、迷うこともあるでしょう。
そんな時、迷惑がかかることを気にする必要はありません。
ポイントは、「あなたがどうしたいか?」です。
「新しい分野にチャレンジしたいのか?」、「今の会社でもう少し頑張ってみるのか?」
それは、誰かが決めることでもなければ、あなた自身が決めることなのです。
もし迷っているなら、転職活動を始めておき、いつでも転職できる状態にしておくのも安心に繋がります。
「周囲の人に迷惑をかけるのでは?」と思い、辞めることを躊躇しているのであれば、それは間違いです。
どんな職場でも、退職者が出ればすぐに後任補充を行い、今まで通り問題なく稼働していきます。
もし、退職を言い出せなかったり、気まずい思いをするのが嫌なら、退職代行も一つの方法です。
退職代行なら弁護士法人が運営しているものが良いかもですし、申し込みから相談してみるのもありですね。
考え抜いた上で行動した結果は、きっとあなたにとってプラスに働くでしょう。
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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