配属されてから、たった1年で異動するのは、早過ぎると思いますよね。
そんな短期間で異動となると「トラブルでも起こしたのか?」といったネガティブな印象を持ってしまいます。
しかし、1年で異動することは、現実的に起こり得る話なのです。
では、「1年で異動する人にはどんな特徴があるのか?」疑問に思いますよね。
私はこれまで人事の仕事を10年以上続けてきて、様々な人事異動に携わってきました。
そんな経験から、以下のような疑問を解説していこうと思います。
・1年で異動することは珍しいことなのか?
・1年で異動する人にはどんな特徴があるのか?
では、具体的にご紹介していきます。
1年で異動することは珍しい?
1年で異動することは、実際に起こり得ます。
ただし、頻繁に発生するものではありませんし、珍しいことではあります。
というのは、1年で異動するケースは特別な事情が無い限り、起こり得ないからです。
例えば、以下のようなケースでは1年で異動することもあるでしょう。
・会社の事情でやむを得ない理由があるから
・本人の勤務態度や勤務成績が悪すぎるから
通常であれば、最低でも3年程度は同じ部署で働いてから他の部署異動するのが普通です。
長い人ですと、10年も同じ部署で働いている人がいるくらいです。
1年だと、仕事の適正も見極めきれないですし、仕事を覚えるには短すぎます。
あえて短期間で異動するような会社を除けば、1年での異動は、特殊な事情があるということを認識しましょう。
1年で異動する人の特徴とは?【本人に問題があるケース】
1年で異動する人の特徴を下記のとおりご紹介しようと思います。
・職場に馴染めていない
➡同僚や上司との人間関係が合わなさ過ぎて、部署全体に悪影響が出ているようなケース
・仕事でクレームやトラブルを起こし過ぎている
➡会社に損害を与えるよう大きなクレームやトラブルが多発しているようなケース
・体調不良によって休職してしまう
➡仕事や人間関係が合わずに欠勤、求職してしまうようなケース
・不正や不祥事を起こしてしまった時
➡会社の規程に違反したり、刑事事件を起こしてしまうようなケース
・会社から期待されていない人
➡会社に都合よく異動させられるようなケース
本人に問題がある場合、上記のような理由で早期に異動させられるケースはよくあることです。
ただし「仕事ができない」、「人間関係が悪い」といった単純な理由だけでは、1年で異動になりません。
そういった理由に加えて、下記のような状況に陥いると、1年という短期間での配置転換を余儀なくされます。
・会社に大きな損害を与える
・部署全体に悪影響が出てしまう
・会社を休んでしまう
異動してすぐに、仕事ができないことはよくありますし、人間関係に慣れるのも時間がかかります。
本人に問題がある場合、目に見えるようなトラブルや問題が起きると、1年という短期間での異動は起こり得るでしょう。
1年で異動するのはお荷物社員の証拠?
上記にて、大きなトラブルを起こすような人が1年で異動することをご紹介しました。
では、1年で異動するのはお荷物社員というレッテルが張られてしまうのでしょうか?
しかし1年で異動する人が、必ずしもお荷物社員というわけではありません。
というのは、以下のようなケースでも短期間で異動するからです。
・急な退職者や休職者が発生した時
➡人員補充のために、急遽異動するケース
・新規事業等の立ち上げによるもの
➡組織を再編し、部署異動が活発になるケース
・ハラスメントを起こすような上司がいる時
➡あなたを守るために、会社が判断するケース
これらは会社の都合です。
本人の勤務態度にかかわらず、会社の都合によってはやむを得ず1年で異動するケースもあります。
この場合は、本人の問題に限りません。
ただし明らかなトラブルや迷惑をかけた後に、1年で異動となればお荷物社員と思われても仕方がないでしょう。
判断の見極めは、「あなたが大きなトラブルを起こしてしまったのかどうか?」です。
優秀な人が1年で異動するケースもある
また、ケースによっては、優秀な人が1年で異動するケースもあります。
例えば、以下のような場合です。
・経営課題を解決するため
➡優秀な社員を異動させて強化させるケース
・キャリア形成のため
➡短期間であってもその部署を経験させるようなケース
・トップ人事のため
➡社内で力のある人によって、優秀な人が引き抜かれるようなケース
これらのケースでは優秀で何のトラブルも起こしていない人が1年で異動することがあります。
この場合、1年で異動させるデメリットよりも、会社の経営を良くするためのメリットを優先しているのです。
また優秀であるがゆえに、多くの部署を経験をさせたり、他部署に引き抜かれるようなケースもあります。
やはり優秀な人はどの部署からも引っ張りだこですし、人気がありますからね。
仕事で成果を出しつつ、経営層にも評価され、社内の人間関係も上手くいっている人が、
1年で異動するような場合は、上記のような前向きな理由がほとんどですね。
1年で異動させられないようにするには?【対策】
では、1年で異動(左遷)させられたくない時にはどうすればよいのでしょうか?
対策は以下の通りです。
・報連相を徹底して大きなトラブルを避ける
➡基本的なことを怠らず、普通に仕事をしていればOKです
・上司と仲良くなる
➡上司から嫌われなければ、そう簡単に異動させられません
・その部署の専門性やスキルを磨く
➡いち早く仕事を覚えて、あなたがいなくなってしまっては困る存在になる
大きな成果を出したり、派手な結果を求める必要はありません。
ただ単純に、目の前の仕事を、トラブルなく真面目にやっていれば問題ありません。
1年で異動になる最大の要因は、大きなトラブルやクレームを起こしてしまうことです。
会社の規範や同僚との人間関係などを無難にこなしていれば、それだけで対策となるでしょう。
さらに確率を上げるなら、上司の信頼を得て、仕事をいち早く覚えてしまうことです。
人間性的にも仕事的にも「手放したくはない」と上司に思われれば、1年で異動になる可能性は減るでしょう。
なお、自身のキャリアに不安を抱えているなら、キャリア相談を受けてみるのもアリです。
現状が満たされない人、キャリアやライフイベントに不安を抱えているなら、参考になるかもです。
まとめ
以上、1年で異動するのはお荷物社員の証拠なのか?について解説いたしました。
これまで人事の経験を通じて、数多くの人事異動に携わってきました。
そんな中でも1年で異動する人は、時々、発生していました。
やはり、トラブルを抱えている「お荷物社員」の人もいれば「会社都合の人」、「優秀な人」もいました。
ですので、1年で異動するからといって、「お荷物社員」と決めつけるのは、よくありません。
しかし、何の実績も出していない若手や、いつもクレームや他人に迷惑をかけているような人が、
1年で異動した場合は、お荷物社員と思われている可能性が高いでしょう。
では、この記事の内容をまとめます。
<まとめ>
・1年で異動するケースは稀に発生する
➡3~5年で異動するのが普通だけど、たまに1年で異動する人もいる
・大きなトラブルや規約違反があると1年で異動する可能性が高くなる
➡普通に仕事をしていれば、ネガティブな理由で異動させられることはない
・1年で異動する人が、必ずしもトラブルを起こしたお荷物社員というわけではない
➡会社都合や優秀な社員が1年で異動するケースもある
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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