有給休暇の使いすぎで評価を下げられるのは違法です

仕事の悩み・その他
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有給休暇を使いすぎたことで、評価を下げられた経験はありますでしょうか?

 

結論から言えば、有給休暇を使いすぎたからといって評価を下げるのは違法です。

 

ですので、もし評価を下げられた経験があるなら、その会社はかなりのブラック企業と考えていいでしょう。

 

私はこれまで人事部での仕事を10年以上経験し、従業員の労務管理や人事評価に携わってきました。

そんな経験から、有給休暇を使いすぎて評価を下げられた際の対処法や注意点をご紹介します。

 

この記事では以下のような人の参考になれば幸いです。

●こんな人に見て欲しい!

・有給休暇の取得が評価に影響することはある?

・有給休暇を使いすぎて評価を下げられた時の対処法は?

・有給休暇を使いすぎる社員に対する会社の本音は?

 

「有給休暇の使いすぎ」で評価を下げることは違法

有給休暇の取得が人事評価に影響することは違法なことです。

 

その理由は下記のとおりです。

①法律で、有給休暇の取得による不利益な取り扱いを禁止しているから

②会社は社員の有給休暇を取得促進する必要があるから

 

 

①労働基準法には「有給休暇を取得したことで賃金の減額、その他不利益な取り扱いを禁止」しています。

 

有給休暇は労働者の権利であって、原則、取得することを会社が拒むこともできません。

有給休暇を取得することは労働者の自由であって、上司や会社の許可を必要とはしないのです。

 

しかし、認識の間違った上司や会社では、以下のようなルールや習慣が定められているかもしれません。

<間違った認識・考え>

・有給休暇を使いすぎたら、評価を下げるのは当たり前

・有給休暇を一切取らずに、毎日出社する部下の方が偉い

・有給休暇を取りすぎる社員がいると、皆が真似するから評価を下げておく

 

上記のような認識や考えは明らかに間違いであり、違法です。

もし、評価内容の説明や面談において、上記のような説明を受けたならばその会社はアウトでしょう。

 

 

 

 

②会社は社員に有給休暇の取得を促進しなければなりません。

 

2019年の法改正によって、有給休暇を年に5日以上取得しなければならなくなりました。

もし5日を下回った場合は、会社に罰則が適用されてしまいます。

 

取得推進しなければならないのに、休暇の使いすぎで評価を下げるのは時代の流れと逆行しています。

昭和の時代であれば、休みなく働く人が評価されるのは当たり前だったでしょう。

しかし、今後は適度に休みながらも成果を出す働き方が推奨され、ワークライフバランスが求められる時代です。

 

 

 

有給休暇を使いすぎたことで評価を下げるのは、法律的にも違反していますし、時代の流れにも逆行しています。

 

 

成果に応じた評価は合法

なお、有給休暇を使いすぎたとしても、評価が下がるケースはあります。

 

例えば、以下のようなケースです。

・成果や目標が未達成だった場合

・他の社員と比較して成果が出せなかった時

 

シンプルに成果が出せなかったり、目標に未達であって場合に評価が下がるのは合法です。

休んでいようが、なかろうが成果が低ければ評価も下がるというのは、自然なことですよね。

 

<評価が下がる場合の違法・合法例>

・有給休暇の使いすぎ ➡ 評価を下げる ⇒ NG

・成果、目標が未達成 ➡ 評価を下げる ⇒ OK

 

 

ただし、有給休暇を使いすぎれば、労働時間が減り、生産性が下がるのも当然です。

労働時間が減ったことで成果が出しづらくなるのは当然ですし、成果が下がりやすくもなります。

その結果、評価が下がってしまうことは問題ありません。

 

会社として、利益を上げるために、成果を出す社員を評価するのは当たり前ですからね。

 

このように、有給休暇を取得することで、間接的に評価が下がることは問題ではありません。

 

問題なのは他の社員より成果が高いのに、有給休暇の使いすぎで評価が低いような場合です。

有給休暇の取得が、直接的に評価に影響していれば違法性があります。

 

有給休暇の使いすぎで評価を下げられた時の対処法

では、実際に有給休暇の使いすぎが原因で評価が下がった時の対処法をご紹介します。

 

・評価面談の際に評価が下がった原因を確認する
➡上司との面談の際に確認。評価が低い原因が有給休暇の取得ではないケースもあります。

・人事部に相談する
➡上司に相談しづらい場合は、人事部相談したり、確認するのがベストです。

・転職する
➡会社全体がブラック体質ならば、転職するのが最もベストな解決策です。

 

最も手っ取り早いのは、上司に確認することです。

ただし、いきなり評価内容を確認するのは上司もビックリするので、評価面談の時が良いでしょう。

詳しく聞いたら、他に理由があるかもしれませんし、納得できる理由があるかもしれません。

 

上司への確認に抵抗があったり、取り合ってくれない時は人事部に相談するのがベストです。

もし有給休暇を使いすぎたことで評価が下がったのが本当であれば、人事部も本気で動いてくれるでしょう。

人事部から上司へ適切な指導が行われるはずです。

 

さいごに、もし上司だけでなく会社全体の企業体質がブラックであれば、転職するのが一番の近道です。

会社全体が「有給取得=悪」という間違った認識が蔓延していれば、個人の力で解決するのは難しいです。

頑張ってもその労力や時間がもったいないので、さっさと転職して正常な会社で働く方が良いでしょう。

 

 

 

評価を下げられた原因が分からない時は?

とは言っても、評価が下がった原因が分からないケースがほとんどです。

 

「有給休暇を使いすぎたから評価を下げた」とハッキリ言う上司も多くはないでしょう。

正直言って、評価の内容や評価が下がった原因を明確に確認するのは難しいのが本音です。

 

あくまでも上司や人事に確認するくらいしか、確認のしようがありません。

人事評価はかなり複合的な要因で評価が決まりますし、数値化によって明確に測れるものでもありません。

 

 

では、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

 

結論としては以下の点で、有給休暇の使いすぎが評価に影響しているかどうか判断するしかありません。

・上司が有給休暇を取得することが嫌いなタイプ

・会社全体の文化、体質として有給休暇の取得を推奨していない

・有給休暇を取得しようとすると嫌味を言われる

➡上記に当てはまれば、有給休暇の使いすぎによって評価が下げられる可能性は高いでしょう。

 

ただし、あくまでも可能性が高いと考えられるだけで、決定的な根拠にはなりません。

結局、上司が直接理由を言わない限り、本音を聞き出すのは難しいでしょう。

 

 

有給休暇を使いすぎる社員に対する会社の本音

実際に、有給休暇を使いすぎる社員に対して、会社の評価や考えはどうなのでしょうか?

 

例えば、経営層や、上司、人事部などは以下の本音を抱いています。

<有給休暇を使いすぎる社員に対する本音>

・忙し時は休んでほしくない

・成果や目標を達成していれば、有給を取得しても問題ない

・頻繁に休まれると、上司としては良い気分にはならない

・休まずに働きまくっている部下の方が可愛い

・周囲の人のモチベーションが心配

 

上層部になれば有給休暇を取得することに対して、ネガティブに考えている人は多いです。

特に、経営層や管理職になれば、利益や目標達成の責任が出てきますからね。

 

上司によっては有給休暇の取得を推奨し、社員のやる気を向上させる人もいるでしょう。

もちろん、法律的には5日以上の取得が義務ですし、ある程度は休暇を取得して欲しいと思っています。

 

 

ただし、以下のようなケースでは経営層や管理職に良い印象を与えないでしょう。

・仕事の責任や成果をを無視して、休暇を取得しまくる

・周囲の人があなの仕事の穴埋めをしたり、部署に迷惑をかけている

・忙しい時期に長期休暇を取得する

 

 

上司も人間ですから、好き嫌いはありますし、それが評価に全く影響しないというのは嘘です。

適性な評価であっても、理屈以上に感情的な要素は含まれているのが、現実ですね。

 

 

有給休暇を使いすぎることは全く問題ありません。

しかし、空気を一切読まずに取得しまくるのは避けた方が良いでしょう。

あくまでも会社員である限り、上司、同僚への配慮をした上で取得するのがオススメです。

 

明確に「有給休暇の使いすぎ」が評価に影響するなら転職すべき

なお、明確に有給休暇を使いすぎたことで、評価を下げられたのであれば、転職しましょう。

 

特に、以下のようなケースでは転職すべきだと思います。

・会社全体で有給休暇の取得を推奨していない ➡ ブラック企業体質

・有給休暇を取得すると怒鳴られる ➡ パワハラ

・評価が下がった原因を「有給休暇の使いすぎ」と言われた時 ➡ 違法

 

特に、会社全体がブラックな体質であれば、確実に転職した方が良いでしょう。

仮に異動したり、上司が変わっても、本質的には改善されませんからね。

 

また、あなたの上司だけが、ハラスメント体質の場合も転職してしまった方がよいでしょう。

いつ異動できるか分かりませんし、そんな上司が管理職をやっている会社もヤバいと考えて良いです。

 

今時、有給休暇を取得することに対して、明らかな不利益を与える会社はブラック企業です。

働き方改革が進み、ワークライフバランスやコンプライアンスが強化される昨今、

時代と逆行している会社はどんどん減っていくでしょうし、滅んでいくでしょう。

 

将来性を考えても転職すべきですし、あなたのキャリアを考慮しても早めに再スタートを選択すべきですね。

 

まとめ

以上、有給休暇を使いすぎて評価を下げられるのが違法な理由を紹介しました。

 

有給休暇を使うことに対して、日本人の考え方は変わってきています。

そして日本企業も徐々に考えが変わりつつありますが、まだまだ古い企業体質の会社は多いです。

 

今後、ますます働き方改革が進み、ワークライフバランスや休み方改革が進んでいきます。

そんな時代に、時代錯誤な会社に残り続けるのは、あなたの人生の損失になるでしょう。

 

もし、今の会社に限界を感じているならば、転職活動をはじめてみるのが良いでしょう。

最終的な判断は採用内定が決まってからでOKです。

とりあえず、転職活動を通じて、他の企業体質を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

では、最後にこの記事の内容をまとめます。

・有給休暇を使いすぎて評価が下がるのは違法(成果・目標未達で評価が下がるのはOK)

・上司も同じ人間であって、感情や気持ちが評価に影響することはある

・会社全体で有給休暇取得に消極的なら、転職するのがベスト

 

以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

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