忙しくて、毎日、休憩時間も取らずに働いている人はいませんか?
本当は休憩をしっかり取りたいのに、
忙しくて取れなかったり、休憩を取れるような職場環境でない場合、
朝から晩までノンストップで働いてしまうことになります。
本来は、休憩を取らせないと、法律違法になってしまいますが、
実際問題、休憩を取れない職場、もしくは休憩を取らせないような悪質な職場があることも事実です。
休憩も取れないほど、働いていて、退職を考えている人もいるでしょうが、
「本当に退職して大丈夫なのだろうか?」と悩んでいるのではないでしょうか。
私は、これまで人事部の実務担当者として10年近く勤務してきました。
そんな経験から休憩を取れないことのデメリットや法律に関して、説明するとともに、
実際に退職すべきかどうかの判断基準などをご紹介していこうと思います。
休憩時間が取れないのは法令違反
休憩を取らせなければならないという法律があり、会社は従業員を働かせる上で、休憩を取らせないといけません。
法律では以下のように定められています。
労働基準法第34条
・労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分
・労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間
一般的に、正社員の場合、8時間勤務が多いと思いますので、その場合は
必ず1時間の休憩を取らせないといけないんですよね。
また、どんなに忙しくても会社としては、休憩を取るように指示し、
休憩を取れるような環境を構築しなければなりません。
というわけで、少なくとも1日に45分~1時間の休憩は取らせないと会社は法律違反になります。
休憩時間が取れないデメリット
休憩も取らずに働いていると、疲労が蓄積するのは当たり前です。
実際に休憩を取らないことでどんなデメリットがあるのでしょうか?
<休憩と取らずに働くデメリット>
・健康上良くない ⇒ 体もメンタルも休憩できないので、ストレスが溜まり続ける
・仕事の効率が落ちる ⇒ 疲労し続けたまま仕事をするので集中力が落ちる
・休憩を取らないことが当たり前になってしまう ⇒ 他人に強要したり、悪循環に陥る
当然ですが、休憩を取るのは疲労の蓄積を避けるためです。
午後から、頑張って働くためにも、一度、休憩を取ってあらためて頑張る力を養う必要があります。
しかし、休憩を取らないことで確実に健康を害していきますし、仕事の効率は落ちます。
心身共にリセットできないまま働くので、夕方になればなるほど、効率は落ちていき、悪循環に陥ってしまいますよね。
また休憩を取らないことが習慣化してしまうことで、他人に強要したり、その会社の悪い伝統になってしまうので、余計に休憩が取れない職場環境になってしまいます。
逆に、休憩時間が取れることで、昼食をしっかり取ることができますし、
美味しいランチを食べに行くことだってできます。
また同期と一緒にランチを取ることで、コミュニケーションも活性化されるので、
休憩時間をしっかり確保することはメリットしかありません。
なぜ休憩時間が取れないのか?
休憩が取れないのは、会社や上司の体質、職場環境によって大きく左右されます。
具体的には、以下の要因で休憩が取れないことが多いです。
<休憩が取れない理由>
・人手不足で忙しい ⇒ 昼休憩を取る時間も仕事をしてしまう
・職場風土の慣例や文化 ⇒ 周囲の人も誰も休憩を取っていないので、自分だけ取りづらい
・パワハラ体質のブラック企業 ⇒ 休憩を取ることが許されないような悪質な職場環境
忙しい場合は、自ら休憩を省くケースがありますよね。
クレーム対応や残業続きであれば、休憩を取っている暇がありませんからね。
ただし、この場合は忙しい時期だけなら分かりますが、常態化して、ずっと休憩が取れないほど忙しい場合は、
会社に問題があると言えるでしょう。
そして、その他の理由としては会社側のコンプライアンス意識の問題です。
特に上層部の人達の意識が低く、パワハラ体質な職場は休憩を取りづらいでしょう。
また、これまでの慣習によって、職場全体が休憩を取りづらい雰囲気になっている場合も。
同調圧力がかかり、自分だけ休憩を取りづらい気持ちになってしまいますよね。
休憩時間が確保できないのは、仕事とのバランスもありますが、会社側の責任です。
どんなに忙しくて膨大な仕事量であっても、休憩を取らさせないといけませんし、
休憩が取れるような環境と配慮が必要になってきます。
休憩時間を取れるように工夫するには?
会社の体質が原因で休憩が取れない場合、それを変えるのは至難の業です。
もしブラック企業の場合、それを経営層に訴えても、相手にされないどころか、
目を付けられて、痛い目に合う可能性だってあります。
ではどうすれば休憩時間が確保できるようになるのでしょうか。
いきなり訴えて裁判そするわけにもいきません。
まずは、
・人事部へ相談 ⇒ 特定の上司や部署だけ休憩が取れない場合は有効
・労基署へ相談 ⇒ 会社ぐるみで休憩が取れない環境であれば有効
もし、人事部や労基署へ相談することで変わりそうな企業体質であれば、相談してみるのも手です。
ただしブラック企業の場合、休憩時間だけを改善できたとしても、その他のコンプライアンスが守られていないケースもあるので、一々相談しに行ってもキリがありません。
またブラック企業の場合、労基署へ相談しても、全てを解決してくれるほどは期待できません。
そして、相談する際は匿名にはなりますが、やはり相談を持ち掛けるにはかなりのリスクがあります。
後々、誰がリークしたのか、話題になりますし、相談するにも労力と時間がかなりかかります。
そして、その結果、何も変わらないケースだってあります。
会社を変えようとするのはかなりの労力と時間を要しますからね。
休憩時間が取れないから退職すべきか迷う時の判断基準
というわけで、「休憩時間が取れない会社を退職したい」と考えると思います。
その際、本当に退職しても大丈夫なのだろうか?
と悩むことはありませんか?
結論から言えば、「休憩が取れない会社はブラック企業なので、退職した方が良い」というのが答えです。
しかし、もし今の会社に魅力を感じていて、本当に迷っているなら、
以下の点を判断材料にしてみてください。
<退職を踏みとどまても良いケース>
・休憩が取れいないこと以外に不満はない ⇒ 仕事内容も人間関係も良好であれば良い職場かもしれません
・休憩を取れていないのが、自分もしくは自分の部署だけ ⇒ 異動することで解決できるかもしれない
・休憩を取ろうと思えば取れる ⇒ 仕事の効率化やスケジュールの工夫で解決できるかもしれない
<退職した方が良いケース>
・休憩を取ると嫌味や注意を受ける ⇒ パワハラなので退職を検討すべき
・どの部署も休憩が取れず、長時間労働が常態化 ⇒ コンプライアンス意識が低く法令違反
・休憩時間以外にも働き方が法令違反 ⇒ ブラック企業の可能性があるので退職すべき
こんな感じです。
一時なのか、今後もずっと休憩が取れない環境なのかも判断材料の一つです。
そして自分の意思か、会社からの圧力なのかも、一つの判断基準ですね。
本来であれば、「休憩が取れない」という時点で、法令違反であり、退職すべきなのですが、
自分の生活もありますし、すぐにホワイト企業に転職できる保証もありません。
ここは、一旦、休憩時間以外の要素も考慮しつつ、場合によっては退職せずに、
様子をみつつ転職準備だけ進めるという方法もありだと思います。
そして、企業自体がブラックな体質でコンプライアンス違反ばかりしているようであれば、
自分の健康状態も危険なので、すぐに退職し、転職をオススメします。
まとめ
以上、「休憩時間が取れない会社を退職したい」と思った時に確認すべき内容をご紹介いたしました。
休憩時間を取るとうことは、当たり前のことであり、ほとんどの会社が守っている
基本的な法律です。
しかし、中には休憩を取らせないような悪質な企業が存在するのも事実です。
一方で、悪質ではないけれど、習慣的に休憩が取りづらい雰囲気の職場もあるでしょう。
退職すべきかどうかは、休憩の取りやすさや、会社の体質など、総合的に見て判断するのが良いと思います。
正直言って、全てが完璧な会社はありませんからね。
もし、今の会社が完全なブラック企業で、休憩を取ることで、注意されたり、嫌味をいわれるようなら、
さっさと転職準備を始めて、退職しまいましょう。
そして、もし退職を申し出にくいなら、「退職代行サービス」を使うのも一つの方法です。
トラブルなく、次のキャリアへ進みたいですからね。
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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