うつ病で仕事を休まなければならなくなった際、会社に連絡できないことがありますよね。
うつ病になったことや、会社を休むことを、会社に連絡するのは勇気のいることです。
誰に連絡をすべきなのか、どういった連絡手段がベストなのか、分からないことも多いですよね。
そこで、うつ病になり、会社を休む際の連絡方法や、連絡できない時の対処法を紹介します。
私はこれまで人事の仕事を10年以上経験し、多くのメンタル不調者に携わってきました。
休職する人や、復職する人、退職する人など、選択肢は人それぞれです。
この記事では、そんな私の経験をもとに、うつ病時の会社への連絡方法等について紹介します。
この記事では以下のようなことに困っている人の参考になれば幸いです。
・うつ病になったけど、休むことを会社に連絡できない人
・うつで会社を休む際の、連絡方法が分からない人
・うつ状態になり、一旦は会社を休むけれど、退職したいと考えている人
うつ病で会社を休む際の連絡方法
うつで会社を休む際、どのような連絡手段がベストなのか、気になりますよね。
連絡手順や連絡方法については、下記のとおりです。
・まずは上司に会社を休むことを伝える
➡電話するのがベスト。ただし、難しければメール等でもOk。
・長期間の休職であれば、医師の診断書を提出する
➡休職する期間や、社内手続きに必要
・短期間(1日~数日)の休みなら、体調不良を理由に休めばOK
➡医師の診断が出てない時や、単発で休む場合は、単なる体調不良で休めばOK
まずは上司に休むことを伝えましょう。
長期間であろうが、短期間であろうが、休むことを上司に伝えるのは必要です。
また、電話が難しければメールでもOKです。
上司との関係性によってはLineなどでも大丈夫です。
その上で、長期間の休職が必要になれば、医師の診断書を提出する必要があります。
休職制度の利用や、傷病手当金の受給など、社内手続きに必要だからです。
診断書の提出などは、郵送のやり取りで大丈夫です。
また、うつ病であるかわからない時や、1日~数日の休みであれば、体調不良を理由に休みましょう。
うつであるかどうかは、正確な診断が出てからで良いですし、体調不良であることは嘘ではありませんからね。
<ポイント>
・とにかく始業前に上司に会社を休むことを伝えましょう。
・診断書が出ていない状態であれば、原則、毎日連絡する必要があります。
・長期間の休職になれば、診断書を提出しましょう(このケースでは毎日連絡する必要はありません)
うつ病で休むことを会社へ連絡できない時の対処法
とは言え、うつ病になって休むことを会社に連絡できない人もいるでしょう。
気が進まなかったり、体調が悪くて連絡する気力が出ない人もいるでしょう。
また、うつの原因が上司である場合などは、病状が悪化する恐れもありますし、連絡できないのは当然です。
そこで、会社に連絡できない、連絡したくない時の対処法について紹介します。
・上司が嫌なら、人事部に連絡する
➡うつの原因が上司であるために連絡できない場合は、人事部経由で連絡を取りましょう。
・産業医を経由して伝えてもらう
➡産業医がいる会社であれば、産業医経由で会社に伝えてもらうことができます。
・上司の上司に連絡する
➡例:課長が嫌なら、部長に連絡するのもOKです。
・電話できないなら、メールで連絡する
➡非常識でも何でもありません。体調を都合でメールでやりとりするケースは実際に多いです。
・自分で連絡できないなら、家族から伝えてもらう
➡代理の方から連絡を入れてもらうことも可能です。
どうしても出社できない時、そして会社に連絡できない時は、上記の方法を試してください。
前提として、無断欠勤することは絶対に避けなければなりません。
しかし、体調の関係でどうしても連絡できないことは、あります。
そんな時は、手段やマナーにとらわれる必要はありません。
電話でなくても、本人からでなくても、上司に伝えなくても、連絡する手段はあります。
復職を考えている人は、上記の方法を試してみて下さい。
なお、会社を退職するなら、退職代行を利用するのもアリです。
うつ病で休むことを会社に連絡できない際の注意点やNG行動
では、実際にうつで休む際の注意点やNG行為について紹介します。
うつで休む際に、会社へ連絡できない時は通常の判断や行動ができないものです。
しかし、以下で紹介する注意点やNG行動を無視すると、後悔する可能性があるので、確認しておきましょう。
・無断欠勤は絶対に避ける
➡社員の安否不明や、無断欠勤による会社の損失など、大問題になる可能性があります
・会社からの連絡を無視するのはNG
➡常に連絡を取れる状況にする必要はありませんが、完全無視は避けましょう
・会社の休職制度を理解しておく
➡休職できる最大期間や、傷病手当金の受給など、利用できる制度は把握しておきましょう
・感情的な対応は避ける
➡上司や会社に感情的対応を取ると、復職しづらくなりますし、トラブルの原因になります
・計画的に療養する
➡無理して出社したり、復帰を焦るのは絶対NGです。うつが悪化します。
一番、やってはいけない行為は、無断欠勤と会社からの連絡を無視することです。
最悪の場合、警察沙汰になったり、損害賠償問題に発展する可能性があります。
何よりも、社内の人達に物凄く心配をかけますし、場合によっては家族に迷惑をかけることにもなります。
ただし、会社からの連絡については、あなたのタイミングで返信すればOKです。
体調の問題で、朝に連絡できないなら、昼や夜でも大丈夫です。
また電話して欲しくない時は、その旨を伝え、メールでのやり取りを希望しておきましょう。
あとは、傷病手当金の請求や休職期間の満了時期など、復帰に向けたビジョンを建てましょう。
ただし、焦ったり、無理をすることは禁物です。
優先すべきはあなたの体調です。
急いで復帰しても、あなたも会社も誰も得をしません。ゆっくり静養すれば良いのです。
もちろん、うつ病で体調がかなり悪化している状況では冷静な判断が難しいのも事実です。
しかし、上記で挙げたNG行動や注意点を無視すると、後々困りますし、後悔することになります。
形はどうあれ、連絡できないなりに、出来る範囲で注意点を守り、NG行為を避けましょう。
うつ病で休職した後、復職すべきかどうかの判断
うつ病で会社を休んでから、復帰すべきかどうか迷うことでしょう。
復職するかどうかは、体調を壊した要因や会社の体制にもよると思います。
結論から言えば、復帰を前提に休むのがベストだと思います。
会社を辞めて転職することも大変ですし、転職先で上手くいく保障もありません。
出来る限り慣れている職場に戻って、働く方が負担が少ないからです。
ただし、以下のような状況の人は復職ではなく、退職を検討した方がいいでしょう。
<復職せずに退職を勧めるケース>
・会社がブラック企業体質の場合
➡部署異動しても問題が解決されない
・復職してもうつになった原因が解消されない場合
➡人間関係、仕事内容等において、復職しても同じ場合は再発の可能性が高い
・うつ病になって辞めていく人が多い場合
➡ストレスやプレッシャーの多い会社であることが想定される
要するに、復職しても再びうつ病状態になる可能性が高い場合は、転職した方が良いでしょう。
いまどき、同じ会社にこだわる必要もありません。
それよりも、体調を優先すべきなのは明白です。
ただし、感情的になって会社を辞めることだけは避けましょう。
冷静に、体調のことと、復職した際の働き方を想像し、検討すべきです。
その際、客観的に復職するだけの価値があるのか、そして本当に会社の体質に問題がないのか、整理しましょう。
少なくとも、「復職しなければならない」、「会社を辞めてはならない」といった固定概念は捨てるべきです。
人事担当者の本音:うつ病で会社を休んでいる人に対して
うつ病で休んでいる人にとっては、自分がどう思われているか、気になると思います。
人事担当者としての本音としては、以下のことを考えています。
・心配している
・ゆっくり療養して欲しいと考えている
・復職に向けてできることを考えている
基本的には、早く治って欲しいという気持ちと、しっかり療養してもらいたいというのが本音です。
または「職場環境が良くなかったのか?」「過労が原因だろうか?」と労働環境を気にすることもあります。
通常は、うつ病で休んでいる人に対し、ネガティブな印象も抱きませんし、冷たい態度を取ることはありません。
むしろ、真摯に対応するのが、通常の会社の在り方です。
ただし、上記でも記載したとおり、トラブルを起こしたり、連絡が途絶えてしまうことがあると、
会社としてもかなり、困ってしまいます。
ですので、余程のブラック企業でなければ、
傷つくようなことを言われることもありませんし、安心して会社に連絡できるはずです。
上司に連絡できないなら、人事部や、産業医などを頼るのもOKです。
それでも会社のことが信頼できないのであれば、
もしかしたら企業体質があなたに合っていない可能性があります。
退職代行などの力を借りて、会社を辞めて、
新しい道にチャレンジする方が良いかもしれませんね。
さいごに
以上、うつ病で休むことを会社に連絡できない時の対処法について解説しました。
うつ病に限らず、仕事を休むことを会社に連絡するのは勇気がいりますよね。
連絡できないほど、体調が悪いケースもあるでしょうし、
ハラスメント等で連絡することに恐怖感を感じる人もいるでしょう。
そんな人たちに言いたいのは、「どんな形であれ、連絡さえできれば良い」ということです。
「上司に電話しなければならない」といった固定概念は捨てましょう。
別にメールでも良いですし、人事部や産業医を経由して連絡してもいいわけです。
会社に連絡できないなら、「こうしなければならない」という考えは捨てて、
とりあえず「無断欠勤」さえしなければOKという考えを持って、連絡すれば気持ちが楽になると思います。
私もこれまで、うつで会社を休む人をたくさん見てきましたが、
上司ではなく、産業医や人事部に直接連絡があるケースもありますし、
突然メールで長期休職の連絡がくることを経験しています。
場合によっては、退職代行会社から連絡が来ることもありました。
本当に追い詰められた人にとって、電話で連絡することがどれだけ大変かも、理解しているつもりです。
柔軟な連絡手段、連絡方法を使って、その辛さを軽減させていきましょう。
うつ病で会社を休むことを会社に連絡できない人は、ぜひ参考にしてみてください。
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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