ホワイト企業で働くことは誰もが憧れることです。
しかしホワイト企業であっても会社を辞めたいと悩む人は多いでしょう。
特に、新卒1年目で本当に辞めて良いのか気になりますよね。
そんな人は以下の悩みを抱えいているのではないでしょうか。
・新卒1年目だけどホワイト企業を辞めたい
・ホワイト企業を辞めたいのは甘え?
・ホワイト企業を辞めても大丈夫?
結論から言えばホワイト企業を辞めても、問題ありません。
なぜならホワイト企業で働くことが正解というわけではないからです。
また新卒1年目であっても、冷静に判断した結果であれば辞めても大丈夫です。
私は人事部として10年以上働き、たくさんの退職者と関わってきました。
また新卒で東証一部上場のホワイト企業に入社し、7年ほど勤務した経験もあります。
そんな経験から、新卒1年目でホワイト企業を辞めたい時の対処法を紹介します。
ホワイト企業の特徴とは?
あなたが働いている会社がホワイト企業なのかどうか、気になりますよね。
一般的に下記の特徴があるのがホワイト企業だと言われています。
● 働き方が適正(残業が少ない、休暇を取得しやすい)
● 給与や福利厚生が充実(昇給・賞与がある、社内制度が多い)
● 経営が安定している(黒字経営、将来性が期待できる)
● 従業員満足度が高い(離職率が低い、愛社精神が高い)
上記のような特徴が多く当てはまれば、ホワイト企業と言えるでしょう。
特にワークライフバランスやコンプライアンス遵守を徹底している会社はホワイト企業と言えますね。
また、会社経営も順調で社内のコンプライアンス意識や研修制度が整っていることから、
・ハラスメントが起こりにくい
・評価制度が公平で透明
・多様な価値観や働き方が認められる
といった特徴もホワイト企業の利点と言えますね。
ただし、ホワイト企業であっても全てが完璧ではありません。
仕事が楽なわけではないですし、人間関係の相性も良い悪いは起こり得るものです。
ホワイト企業は総合的に「良い会社」であるけれど、「完璧な会社」ではないのも現実です。
働き方改革などの影響によって、昔に比べてホワイトな職場が増えている事実もあります。
例えば、月間の総労働時間について言えば、この15年で20時間程度が減少しています。
・2007年:157.6時間
・2022年:136.1時間
※一人当たりの平均時間
出典:厚生労働省の毎月勤労統計調査
労働時間が全体で13.6%も削減されているので、社会全体として働きやすい環境が広まっていますね。
以前と比べてもブラック企業に対する社会の目は厳しく、行政としても罰則を強化しています。
社会的な状況からも、ブラック企業が減ってホワイト企業が増えていることが言えるでしょう。
新卒1年目でホワイト企業を辞めたいのは甘え?
新卒1年目なのにホワイト企業を辞めたいのは甘えなのでは?と不安になることもあるでしょう。
確かに、社会人になったばかりで、評判の良い会社を辞めたい気持ちになるのは複雑ですよね。
まず、あなたは今下記の2つのことに思い悩んでいるのではないでしょうか?
● 新卒1年目なのに辞めても良いの?
● ホワイト企業なのに辞めても良いの?
という二重苦で悩んでいるのだと思います。
環境が恵まれているのに、辞めたいと感じているのは甘えなのでは?と思ってしまいますよね。
しかし、新卒1年目であっても、ホワイト企業であっても、仕事を辞めたいと思うのは普通のことです。
なぜなら、下記理由があるからです。
● 新卒1年目でも辞める人、体調不良になる人は多い
● ホワイト企業であっても人間関係や仕事内容にハズレはある
「新卒1年目なのに」とか、「ホワイト企業なのに」などと言う人は、全てが上手くいっているだけなのです。
たまたま、世間的には良い評判の会社に入社できただけで、実際の職場はハズレである可能性は十分にあります。
特に、新卒1年目でホワイト企業を辞めたい人は以下のことが原因になっているケースが多いです。
● 生ぬるい環境で働いていても成長を感じられない
● 周囲の人と比較した時に将来性が見えない
● 仕事内容も人間関係も全てにおいてハズレを引いている
ホワイト企業であるがゆえに、環境が整い過ぎていることが辞めたい原因になることも多いです。
特に「スキル向上」、「キャリアアップ」を重視している人には物足りなく感じるでしょう。
また、ホワイト企業だからといって、全ての職場が快適とは限りません。
上司、先輩との相性が悪かったり、仕事内容があなたに合っていないケースもあります。
そういったハズレの職場を引いてしまえば、いくら1年目でもホワイト企業であっても辞めたいのは当然ですね。
新卒1年目でホワイト企業を辞めたいと思った時は、一般論は捨てましょう。
ホワイト企業であっても、ブラック企業並に劣悪な職場環境に配属されてしまう可能性もありますからね。
新卒1年目でホワイト企業を辞めたい時の判断基準
新卒1年目でホワイト企業を辞めたいけど、本当に辞めて良いのか、気になりますよね。
というわけで本当に辞めて良いのかどうかの判断基準を紹介します。
ホワイト企業を辞めることで、ホワイト企業のメリットに後で気づく可能性があります。
場合によっては「辞めれなければよかった」と後悔するケースもあるでしょう。
客観的かつあなたの思いを冷静に分析する必要があります。
ホワイト企業を辞めたいなら、以下の要素が失われる可能性があることを認識しておきましょう。
● 業務内容や業務量の適切さ(理不尽なノルマや業務量ではない)
● 労働時間の適切さ(残業も多くなく、休暇も取得しやすい)
● 待遇面の良さ(昇給・賞与があって、福利厚生も充実)
● 社会的信用度の高さ(周囲の評価やローンの審査にも通りやすい)
上記の要素はホワイト企業では当たり前であっても、他の会社では満たされていないケースは多々あります。
特にブラック企業に転職してしまえば、上記の全てが悪い方面に働きます。
もし、上記のメリットが失われても問題ないと思えるなら、ホワイト企業を辞めても問題ないでしょう。
また、新卒1年目であっても、
● やりたいことや目指すべきキャリアがある
● 今の会社で働くことに限界を感じている
● 一時の感情ではなく冷静に検討した上で、周囲にも相談している
というような場合には転職しても問題ありません。
第二新卒として転職活動ができますし、早く再スタートした方が時間を無駄にしなくて済みますからね。
なお、いずれにせよ、無理をして働き続けるのは避けましょう。
体調を壊して長期休職になる可能性もありますし、将来的なキャリアを無駄にしてしまうリスクもあります。
どうせなら転職していた方が良かったと思うくらいなら、ホワイト企業でも辞めてしまった方が良いですからね。
あなたが今、どういう状況にあるのかを、個別具体的に分析しましょう。
一般論に流されず、あなたにとってホワイト企業を辞めても後悔しないと思うなら、転職してOKです。
新卒1年目でホワイト企業を辞めたい人が目指すべき転職先は?
では、ホワイト企業を辞めて、目指すべき転職先はどうすれば良いのでしょうか?
会社を辞めるにしても、転職先の確保は必ずするようにしましょう。
ただ単に会社を辞めるだけなら、後悔しますからね。
転職先選びに関しては以下の内容を参考にしましょう。
● 自己分析を行って、自分に合った会社を選ぶ
● 仕事内容や社風を重視して転職する
● 企業の情報を鵜呑みにしない
自己分析を行って、自分に合った会社を選ぶ
自己分析を行い、あなたの強みや、やりたいことを明確にしましょう。
そうすることで、どういった仕事が好きで、どんな職場が向いているかを判別することができます。
仕事選びにおいては重要なのは「ミスマッチ」をなくすことです。
ホワイト企業の社風が合っている人もいれば、合わない人もいます。
逆にベンチャー企業の体質が合っている人もいれば、合わない人もいます。
要は人それぞれ、合う合わないは個人差があるのです。
ホワイト企業を辞めたいと思った理由や、あなたの強みを分析して、転職活動を始めましょう。
仕事内容や社風を重視して転職する
転職先を選ぶ条件として、仕事内容や社風をしっかりとチェックするようにしましょう。
給与や福利厚生といった待遇面や、会社の規模だけで選ぶと同じミスを繰り返してしまいます。
希望する仕事内容や社風であれば、ミスマッチは起きずらいですし、心地よく働けるはずです。
ホワイト企業であっても、合わない仕事を続けていれば、消耗するのは当然です。
また人間関係や職場環境も考慮するようにしましょう。
企業の情報を鵜呑みにしない
企業は企業にとって都合の良い部分しか公表しません。
特に求人票を見ただけではどんな会社でどんな雰囲気なのかが分かりませんからね。
企業のHPはもちろん、口コミを検索してみるとともに、実際に会社に行ってみるのも良いでしょう。
面接の際に社内の雰囲気を確かめるのも効果的です。
特に、ホワイト企業を辞めたいなら表面的な部分に魅力を感じないはずです。
多少の疑いの目を持って企業選びを行うようにしましょう。
補足のポイントとして、同じ間違いはしないことです。
例えば、
● 会社の規模や評判だけで決めてしまう
● 自分一人の判断で決めてしまう
というような視点は必要です。
世間的な評判や社会的価値の大きな企業に転職してしまっては、同じことで悩む可能性があります。
また新卒1年目であれば、転職活動も不慣れだと思います。
自分一人で決めてしまうと、経験不足から生じる後悔や選択ミスが起きがちです。
家族や先輩などの意見ももらいつつ、転職活動を進めるのが安全で良いでしょう。
<実例>新卒1年目でもホワイト企業を辞める人は多い
私が人事担当者として携わってきた経験上、実際に1年目でホワイト企業を辞める人を何人も見てきました。
私が働いていた会社は、東証一部上場の企業で、健康経営銘柄やナデシコ銘柄にも選定されていました。
世間一般的にはホワイト企業と呼ばれる会社でしたが、そんな会社でも新卒1年目で辞める人はいます。
例えば、以下のようなケースで辞めている人がいました。
● 職場の人間関係や仕事のプレッシャーがきつくて退職(営業職で体調不良になりそうだった)
● 自分の夢を叶えるために他業種へ転職(技術職で安定を捨てて派遣業に挑戦)
新卒1年目であってもホワイト企業であっても、辞める人はいますし、珍しいことではありません。
加えて私もそのホワイト企業を辞めて転職していますが、後悔はしていません。
元に戻りたいとも思っていませんね。
理由としては、
● 周囲の評価よりも自分自身の充実感の方が大事
● 働き方改革の推進でどの会社もホワイト化してきている
だからです。
この会社を辞めてしまえば、他が無い!という感情にはなっていないからですね。
ブラック企業は今後もより一層減る傾向にあります。
加えて、ホワイトな企業はますます増えていくでしょう。
そのため、世間一般で言われるホワイト企業に働くことに、大きなアドバンテージを感じなくなるかもです。
どの会社でもホワイトな環境であれば、ホワイト企業の魅力はなくなってしまいますからね。
ホワイト企業で働くことが全てではない
新卒1年目でホワイト企業を辞めたいなら辞めてOKです。
ホワイト企業で働くことが人生の正解ではありません。
ベンチャー企業で働くことも、中小企業で働くことも、全て正解です。
要はその人に合った会社で働くことが重要です。
何も分からずホワイト企業に入社して、方向転換をしたいと思ったなら、行動すれば良いのです。
ダメなのは固定概念や一般論に流されて、無理に働き続けることです。
無理に働き続けることで、体調不良や望んだキャリアが手に入らないことこそ、人生を台無しにしてしまいます。
確かに、新卒でホワイト企業を辞めるのは勇気がいることです。
ですので、慎重に検討するのが良いでしょう。
ただし、1年間働いてみて考えや状況が変わらなければ転職するのも一つの方法です。
そして転職活動なら今からすぐ取り組むこともできます。
新卒でホワイト企業に就職できるだけの実力があるなら、きっと転職先に困ることもないでしょう。
自身を持って転職活動をすればOKです。
その過程で仕事に対する考えやホワイト企業に対する認識も変わってくるでしょう。
もし今悩んでいるなら行動しながら、考えればOKです。
以上、さいごまで読んでいただきありがとうございました。
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