会社員である以上、人事異動は避けて通れない問題です。
いつ異動を言い渡されるのか、内心ハラハラしている人もいるのではないでしょうか。
特に、「仕事ができないと異動させられるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。
人事異動と聞くと「やらかした人」、「大きなミスをしでかした人」というイメージが先行しますからね。
もちろん、人事異動は様々な事情で生じるものです。
しかし仕事ができないことが原因で、異動させられるケースもたくさんあります。
私はこれまで人事の仕事を10年以上経験し、様々な人事異動に携わってきました。
そんな経験から、仕事ができないことが理由で異動させられるケースや対処法についてご紹介します。
仕事ができないと異動させられることはある?
仕事ができないことが原因で異動させられることは、十分起こり得ます。
そもそもなぜ仕事ができないと異動させられるのでしょうか?
それは、以下の理由によるものです。
<仕事ができないことが原因で異動させられる・原因>
・他部署の方が適正があるかもしれないから
・周囲に悪影響が出て、パフォーマンスが下がるから
・組織としての生産性を向上させる必要があるから
仕事ができないということは、部署として、何かしらのトラブルや悪影響が起きてしまいます。
会社としては、その不具合を放っておくわけにはいかないので、異動させるのです。
また、会社としても、本人としても、仕事ができない状態で、仕事をさせるのはデメリットがあります。
ですので、会社も本人もメリットが生まれるように、異動させるのです。
では、仕事ができないことで異動させられるケースにはどのようなものがあるのでしょうか?
具体的なケースを下記のとおりご紹介します。
<仕事ができないことが原因で異動させられる・ケース>
・ミスばかり起こして、周囲に迷惑をかける
・トラブルばかり起こす
・人間関係で上手くいっていない
・協調性がなく、協力的ではない
・仕事の処理能力が低い
ミスばかり起こして、周囲に迷惑をかける
ミスが多く、周囲に迷惑ばかりかけている人は異動させられる可能性は高いです。
真面目に頑張っていても、他人に悪影響が出る場合は、その部署に置いておくことができないですからね。
また、お客に対してもクレームを頻繁に発生させているような状況では、
会社としても大きな損失を被ることになるので、異動させられるケースが多いですね。
トラブルばかり起こす
会社に対して反抗的な姿勢を取ったり、上司の指示を聞かないような社員は異動させられる可能性が高いです。
会社からもトラブル社員として目を付けられてしまいますし、上司としても早く他部署へ異動させたくなります。
仮に仕事が出来ていても、目に余るようなルール違反や問題行動ばかりだと、
会社としても何らかの措置を講じることになるでしょう。
人間関係で上手くいっていない
上司や先輩、同僚、後輩との人間関係が上手くいっていないケースでは異動させられる可能性は高いです。
特に、上司から嫌われてしまうのは要注意ですね。
仕事をしていく上で人間関係は一番重要な要素です。
そんな人間関係に問題があると、仕事が上手く進みませんからね。
協調性がなく、協力的ではない
周囲との協調性が取れず、協力的でない人は異動させられる可能性が高くなります。
仕事を依頼されても断ったり、協力する仕事に無関心でいるなど、自分勝手な態度は評価が下がります。
自分の仕事だけやっていても、チームでやる仕事の方が大切ですからね。
「一緒に働けない」と思われれば、異動させられてしまいますね。
仕事の処理能力が低い
そもそも仕事の処理能力が低いと異動させられる可能性が高いです。
その部署への貢献度が低く、戦力として不十分な人は厳しいですよね。
いくら真面目に仕事をしていても、仕事内容が合っていなかったり、仕事量に追いつけないケースです。
周囲の人が穴埋めをしなければならなくなるので、処理能力が低い人は異動する可能性は高いでしょう。
仕事ができないことで異動させられる時の対応策
では、仕事ができないことが原因で異動させられる時の対処法をご紹介します。
具体的には以下の通りです。
・上司に気に入られる
➡上司とのコミュニケーションは重要視しよう。飲み会への積極的参加も効果的。
・周囲のサポートや協調性を発揮する
➡周りが困っていたり、忙しそうなときには積極的に協力しよう。
・とにかく良い人になる
➡誰もやりたくない仕事を引き受けることも必要。また指示された仕事は嫌な顔せず引き受けよう。
もちろん、仕事ができるようになるのが、一番手っ取り早いですが、急には成長できません。
というわけで、上記で挙げた対処法を工夫することで、少しは異動させられる可能性を軽減することができます。
要するに、仕事以外の部分で長所を作り、周囲に貢献することが大事です。
仕事ができないけれど、「真面目で良い人」という印象を持ってもらうことでが重要ですね。
一緒に仕事をしていても、「嫌ではない」と思われるだけでも、効果的です。
不本意な異動を避けるなら優秀な社員になるのが一番
とは言え、結局のところ不本意な異動を避けるには優秀な社員になるのが一番です。
もちろん、優秀な人でも異動させられることはあります。
しかし、優秀な社員が異動する際は以下のメリットがあります。
・周囲から期待されて異動する
・無茶な異動はさせない
・会社からも配慮される
優秀な人は、会社からも期待されています。
会社の課題を解決するために異動したり、様々な仕事を経験させるために、異動するケースがほとんどです。
ようするに、不本意な異動が少ないのです。
なぜなら、不本意な異動によって「退職されては困る」からです。
また、「将来の幹部候補になってもらいたい」「優秀な能力を活用してほりい」という理由もあります。
優秀な人の場合、ある程度、配慮された形での異動になりますね。
一方、仕事ができない人の場合だと、会社都合による異動によって、納得できない異動をさせられやすいのです。
仕事ができないことで異動させられる時に退職するのはあり?
では、実際に仕事ができないことが原因で異動させられた場合、退職するのはありでしょうか?
確かに、納得できず、退職したくなる気持ちは分かります。
結論から言えば、感情的になってすぐに退職するのは止めた方が良いでしょう。
ただし、以下のケースに該当するなら退職するのもありです。
・他にやりたいことがある(専門性を磨く、自分の夢や希望がある、等)
・会社がハラスメントや違法な働き方を推奨している(パワハラ、労働基準法違反、等)
感情的になって会社を退職するのはNGです。
しかし、他にやりたいことがあったり、ハラスメントを受けているような場合は退職しても良いでしょう。
具体的に言えば、以下のようなケースです。
・元々、営業の仕事をやっていたのに、急に事務の仕事に異動させられた
・会社から嫌がらせを受けていて、仕事が全くないような部署に異動させられた
程度の問題はありますが、その会社では解決できないような問題であれば、退職するのもありです。
そして、明らかにブラックな労働環境であれば、退職することも検討すべきです。
とは言え、一旦冷静になってから考えるようにしましょう。
感情的になっていては、間違った選択をしてしまいますし、後悔する可能性がありますからね。
仕事ができないことが原因で異動させられたとしても、
あなたにとって退職した方がメリットが大きい場合は退職してOKです。
なお、キャリアに不安を抱えているなら、キャリア相談を受けてみるのもアリです。
現状が満たされない人、キャリアやライフイベントに不安を抱えているなら、利用するのもアリですね。
まとめ
以上、仕事ができないことで異動させられる理由についてご紹介しました。
仕事ができないことを理由に異動させられるケースは頻繁にあります。
これは私が人事の仕事を通じて経験したことなので、間違いありません。
仮に仕事ができないことが原因で異動させられたとしても、ネガティブに捉える必要はありません。
会社としても、あなたにとっても異動はチャンスになります。
新しい環境で、頑張り直せるチャンスですし、思わぬ才能が発揮されるかもしれませんからね。
そして人間関係も当たり、ハズレがあります。
「異動させられた」と思っても、案外、異動先の方が、働きやすい職場である可能性もありますからね。
もちろん、あなたの人生なので場合によっては転職して、あなたが希望する道を選択することもありでしょう。
それでは、この記事の内容をまとめます。
・仕事ができないことで異動させられることは起こり得る
・仕事ができないなら、人間関係や上司との関係性を重要視し、何かしらの形で部署に貢献しよう
・退職したいと思うなら、冷静に考えて判断しよう(感情的になって退職するのはNGです)
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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